中学受験直前の生活は「いつも通り」が合格に結びつく 健康管理、学校生活について


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入試直前 受験生の生活や健康管理で必要なこととは - シリーズ私立中⑱

シリーズ私立中講座

入試直前・入試期間中(生活編)

入試本番が近付く入試直前、そして1月、2月と入試本番の時期、合格をいっそう確実にするための留意点は何だろうか。

目次
  1. ①受験生を特別扱いしない
  2. ②確固たる姿勢
  3. ③受験生が一番不安
  4. ④家族の団らん
  5. ⑤健康管理
  6. ⑥小学校は休まない
  7. ⑦「いつも通り」がキーワード

①受験生を特別扱いしない

この時期になると、どうしても受験生を最優先する生活となり、勉強さえしていれば多少のことは仕方がない、という接し方になりがちだ。あるいは特別扱いして、家族が我慢を強いられるということもある。それは受験生にとってマイナス以外の何ものでもない。

周りが特別扱いをすれば、自分は受験生だから多少のことは許される、という甘えが生じる。

甘えが生まれればそれは必ず学習姿勢、テストの答案に現れてしまう。これくらいの字なら正解にしてくれるだろう、一生懸命解いたのだから多少字が乱雑でも採点の先生は認めてくれるだろう、という甘えだ。難関校になればなるほど、入試は合格のためというよりいかに差をつけて落とすか、という落とすための入試になってくる。今秋、各学校で開催された学校説明会でも乱雑な字、いい加減な答え方への注意が強調され、学校によっては「正解にはならない!」と明言している学校もあった。
受験生だからと言って特別扱いしないことが丁寧な字、まじめな学習姿勢、集中力アップにつながる。

②確固たる姿勢

確固たる姿勢

健康面に注意する必要はあるが、入試期間中でも普段と同じように接するのが一番。
腫れ物に触るように接するのはよくない。

受験生でも自分のことは自分でできる。塾のお弁当ぐらい自分で洗わせればよい。ちょっとした家の手伝い、自分の部屋の掃除ぐらい受験生でもできる。それが自分のことは自分でしなくてはいけない気持ちとなり、勉強面でも自分で考えぬこうとする姿勢につながっていく。
自分は受験生だからといって遊べないイライラを弟妹にあたるようなことがあれば、「そんなことをするなら中学受験はもうしなくていい!」という親として毅然たる姿勢を崩してはいけない。
入試直前でも注意しなくてはいけないようなことをしたら、いつも通り叱ればいい。親の確固たる姿勢が受験生の気持ちを強くして入試に立ち向かう力となる。

③受験生が一番不安

逆に受験生自身、周囲が自分に気を使っていることが逆にプレッシャーとなって重荷になってしまうこともある。
特に親の期待感が強い時、合格しなくてはいけないという切羽詰まった気持ち、「こんなに家族のみんなが応援してくれているのに、もし合格できなかったらどうなるのだろう? テスト結果が悪いだけで叱られるのだから合格できなかったら、お父さんお母さんとの関係はどうなってしまうのだろう?」と、受験生の心にふとよぎる時がある。
その思いが強くなると不安感で勉強に集中できなくなってしまう。入試前に一度、我が子に「ここまで勉強を頑張ってきたことをねぎらい、入試がどんな結果であっても、ここまで努力してきたことを親として誇りに思っている。あと少し一緒に頑張ろう!」と一言、言ってあげるだけで気持ちがすっきりとする。もやもやした気持ちが吹き飛んで勉強に集中できるようになる。

親の一言、励ましが受験生の一番のエネルギー源になる。

④家族の団らん

家族の団らん

いつもは緊張しないと言っている受験生でも、入試が近付けば心に重いものを感じるようになる。口数が少なくなり、体調不良、中には髪の毛が抜けたりする受験生もいる。勉強漬けの毎日、家庭でホッとできる時間は一人になれるトイレの中だけ、では受験はうまくいかない。
受験するのは親ではなく受験生であり、その受験生は小学生だ。親は自分の体験、それも高校、大学入試の体験を基準に考えてしまう。

しかし受験するのは小学生、大人の目から見て7割ぐらいのできであれば頑張っていると見ていい。

大人がいだく受験生像から差し引いてみた方がよい。そして、家族団らんの時間が受験生にとって一番ホッとできる時間、いつも通りの家族の団らんが受験生にとって一番の気分転換になり、たわいのない家族の会話が心のエネルギーになる。そのためにも入試期間中であっても普段と変わらない家族の団らんの時間を持つことが大切だ。
塾で夜遅くまで学習することが多くなる生活だからこそ、この団らんの時間は貴重だ。

⑤健康管理

受験生自身と家族全員の健康管理が重要なのは言うまでもない。風邪やインフルエンザが毎年入試時期に流行して、昨年は保健室での受験者が多かった。

受験生はもちろん、家族もインフルエンザの予防接種はしておいたほうがよい。

風邪などは体を動かさないことや、寝不足による抵抗力の低下が原因になることが多い。
毎朝ラジオ体操をするだけでも違う。勉強時間がないからと睡眠時間を削る、睡眠不足で勉強中もボーとして集中できない、いっそう勉強がはかどらない、また睡眠時間をけずる、という悪循環に陥ってしまわないように、7~8時間の睡眠時間は確保して、夜12時までには就寝する生活のリズムを作っておく必要がある。
できれば入試本番の1週間前くらいから朝方の生活にした方がよい。
受験生以上にお母さん自身の健康管理も重要だ。入試前にお母さんが風邪でダウンしないように、ご自身の健康管理には細心の注意を払ってほしい。また、受験生は運動不足から体が硬くなっているせいか、けがをしやすくなり、特に利き腕のけがが一番心配だ。激しい運動はさけた方がいい。

⑥小学校は休まない

小学校は休まない

入試が近付くと小学校を休んで勉強するということを耳にする。
百害あって一利なし。

学校を休んでも一日中、勉強に集中するのは無理で結局だれてしまう。

学校を休み一人で勉強する孤独感のようなものは、精神的マイナスになり、集中力低下を招く。
また、自分の都合なら学校は休んでもかまわないという自分勝手な考え方を持ってしまい、その後の中学高校生活に悪影響を及ぼす。
いつも通り学校に行って授業を受けて友達と遊ぶ、そして受験勉強という生活がメリハリのついた生活となり、受験生に精神的安定をもたらし、勉強にも集中できる。多少忙しい方が余分なことを考えないので気持ちは落ち着く。ただし、体調が悪く熱がある、小学校でインフルエンザが流行して学級閉鎖になりそうという状況であれば、大事を取って休むのも致し方ない。その場合は生活や勉強が散漫にならないように、親がしっかりとした時間管理をすることが必要だ。

⑦「いつも通り」がキーワード

入試前日、当日の朝もいつも通りに過ごす。

前日も小学校があればいつも通り通学して、塾の授業があるなら休まずに行って、いつものように授業を受けた方が受験生の緊張感は和らぐ。
夕食や当日の朝食も特別メニューではなくいつもの食事で、模試に行くような雰囲気で過ごした方が、受験生も家族も負担にならない。
入試当日も特別な服装ではなくいつもの服装でかまわない。面接のある学校でも服装は評価の対象外だ。小学生の一般的な服装であれば全く問題ない。家族も変に気を遣うのではなく、励ましの言葉をかけるくらいで、いつもの生活パターンをくずす必要はない。周りが変に気を使えば受験生の緊張感を高めてしまう。いつも見ているテレビ番組もがまんしなくていい。
「いつも通り」が合格をつかみとるキーワード!

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