子供を褒めると成績にどれくらい影響が出る?効果的な褒め方を紹介


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子供を褒めると成績にどれくらい影響が出る?効果的な褒め方を紹介

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子供を褒めると成績にどれくらい影響が出る?効果的な褒め方を紹介

世間では叱るよりも褒める方が良いという傾向がありますが、叱った場合と褒めた場合でどれくらい効果が違うのか気になるところです。
そこで今回は、実際に子供を褒めた場合、成績にどれくらい影響が出るのか実験した論文を紹介します。

また、子供に対して具体的にどう褒めた方が良いのか、褒め方についても実験の結果に基づいて解説します。

子供は年齢によって褒め方を変える必要がある

年齢によって変わる褒め方

まず、小学1年生30名と小学6年生27名の子供達に対する愛媛大学教育学部の実験を紹介します。
この実験の結果、小学1年生はどの褒め方をしても成績が伸びる結果となりましたが、小学校6年生は褒め方により成績が変化するという結果になりました。

この実験では、褒め方の種類によって3つのグループに分けます。

・Aグループ(賞賛する褒め方) 「すごい」「上手」「えらいね」や拍手などを使って褒める
・Bグループ(愛情・感情の褒め方)「ありがとう」「おめでとう」「頑張ったね」「よかったね」微笑むなど
・Cグループは褒めることをせず、子供の質問に最低限の回答とうなずく程度

その結果、Bグループの愛情や感情を出した褒め方が小学1年生も6年生も、一番成績が上がり、全く褒めないグループに比べ5%水準の有意差が見られました。
※5%の影響は大きく100日間で5%の差を与えつづけると131.5倍の差がつくことになります

しかし、小学6年生のAグループでは「すごい」「上手」拍手するなどの褒め方では、成績に有意差が見られないという結果が出ました。
これは、小学6年生を含め、思春期の子供は大人にをキチンと観察をしているため、上辺の褒め方では嘘だと見抜いてしまうという推測がされています。
わざとらしい褒め方では、思春期の子供には通用しないということです。

このことから褒める場合は、Bグループの愛情・感情の褒め方が一番効果を発揮するので、子供の行動や頑張りに対して「ありがとう」「よく頑張ったね」「おめでとう」と正直に褒めることが良いと考えられます。

参照:ほめ方が児童の印象評価及び課題成績に与える影響(愛媛大学教育学部)

単純な運動動作も褒められることで伸びる!

パソコンを叩く子供

次に、自然科学研究機構生理学研究所の実験を紹介します。
この実験では、大学生48人の被験者達を、以下の3つのグループに分けました。

・自分が評価する人からベタ褒めされるグループ
・他人が評価をする人から褒められるのを見るグループ
・自分の成績だけをグラフで見るグループ

実験では、この3つのグループに対し、パソコンで画面に表示される数字に対して、キーボードで同じ数字を入力するという単純なものです。
二日間に渡って行われた実験では、自分が褒められるグループが20%も成績が伸びたことに対し、他者が褒められるグループ、褒められなかったグループは、14%しか伸びず6%の差がみられました。
※6%の差を100日積み重ねると339.3倍の差がつきます

参照: 「ほめられると伸びる」は本当だった!(自然科学研究機構生理学研究所)

報酬を与える褒め方には注意が必要(アンダーマイニング効果)

報酬を与える褒め方には注意が必要 アンダーマイニング効果

これまで褒めることのメリットを紹介しましたが、次に場合によってはかえってやる気をなくしてしまう褒め方を紹介します。
それは、報酬を与える褒め方です。

報酬を与えられてやる気を高めていた人は、報酬がなくなるとやる気がなくなる”アンダーマイニング効果”の実験を紹介します。
この実験は、パズルを解いた人にお金を報酬として渡すグループと、報酬が全くないグループに分けやる気がどう変化するか?という内容です。

お金を報酬として渡すグループでは、1回目2回目のパズルを解く際には、事前に報酬を渡すと伝え、3回目のパズルを解く際には報酬はないと伝えます。

このグループがパズルに触れた時間は、1回目平均248秒、2回目平均313秒と長くパズルに触れていましたが、報酬のもらえない3回目には198秒しかパズルに触れませんでした。

対して報酬が発生しないグループでは、1回目平均213秒、2回目平均205秒、3回目には241秒とパズルに触れる際にやる気の低下が見られませんでした。

この実験から、褒める際にお金やモノなどを与えては、お金やモノがもらえなくなるとやる気がなくなってしまうということです。
あくまでもお祝いをするのは、受験の合格、何かの受賞など限られた機会に与えることが良いでしょう。

参照:学校教育専修 学校教育専攻 教育心理学分野 木村道浩氏の論文

褒める、叱る、放っておく、それぞれの成績の差とは?

次に紹介をするのが、褒める、叱る、放っておく場合それぞれのグループに、成績の違いが出たエンハンシング効果の実験を紹介します。
この実験は子供計106人に対して、5日間行なわれました。

この実験では、褒める賞賛群、叱る叱責群、放っておく放任群、条件を与えない4つのグループに分けました。実験では、各グループがそれぞれ毎日テストを行います。

そして、2日目以降は、前日のテストに対して、褒める、叱る、放っておくなどグループによって行動を変えました。
この5日目の結果は、褒める称賛群が20.22、叱る叱責群が14.19、放っておく放任群が12.38の結果となりました。

この点数から、やはり叱ることより褒めることが成績に良い影響を与えることがわかります。
また、放っておくということが一番成績にもよくないことという結果も見て取ることができます。

今回の記事で褒めることが、どれだけ成績に良い影響を与えるかがわかりました。
褒め方がわからない…と思っていた方も、「すごい」「上手」と嘘でも褒めるのではなく、「ありがとう」「頑張ったね」「おめでとう」など子供の行動や子供自身を褒めるだけでいいとわかったので気軽に取り入れやすいですね。

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