入試直前・入試期間中(学習編)中学受験の受験対策法


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入試直前・入試期間中(学習編)シリーズ私立中を考える⑲

シリーズ私立中講座

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入試直前・入試期間中(学習編)

入試直前、入試本番の時期、合格をいっそう確実にするための学習の留意点は何だろう。この時期1点でも多く得点して合格最低点を超えるために、一番最適な学習は何だろうか。

①作戦を立てる

勉強面について、もうあれもこれもしなくてはいけない、という姿勢は必要ない。
よくこの科目の出来不出来が合否を分けたということを耳にするが、一つの科目が合否を分けることはどんな入試でも絶対にない。
算数ができないと合格は難しいということも絶対にあり得ない。
合否は総合点で決まり、1科目得点が悪くても総合点で合格最低点を超えていれば合格できる。
だからもう見切りをつけて作戦を立てるのがいい。
例えば、国語は得意なので8割の得点、算数は半分得点できればいい、理科と社会は7割の得点を目指すなどだ。

下記の表は名古屋中の平成30年度入試、合格者平均点・最低点の一覧表になる。
算数が100点中、32点しか得点できなかった受験生も、他の科目で139点得点してボーダーの171点を超えて合格していることが分かる。
算数が約3割しか得点できなくても、他の科目で合格者平均点を得点していればボーダーの171点を超えて合格になる。
極端なことを言えば、国語、算数、社会で合格者平均点を得点すれば171.8点になり、理科が0点でもボーダーを超えて合格することになる。
だから、あの中学校はこの科目ができないと合格できない、というのは間違った見方だ。
ボーダー以上の得点をするために、4科目の点数のバランスをどうするか、受験生の得意・不得意科目から考えることが必要だ。

<名古屋中学校 平成30年度入試>

  国語 算数 社会 理科 合計
配点 100 100 50 50 300
合格者・平均点 69.7 66.2 35.9 35.8 207.6
合格者・最低点 38 32 13 18 171

※各科目の合格者最低点はその科目内での最低点。

②完璧主義はいらない

完璧主義は捨てて、この教科は最低でも何割、この教科は7割以上という合格を目指した学習にシフトするのが合格に近づく。
いつまでも苦手科目克服といっていては受験生に負担になるだけ。
苦手科目よりも得意科目を伸ばす学習であれば、必要以上に苦手科目に時間を割く必要がなく、睡眠時間も確保できる。
東海中は配点が各科目100点の400点満点、南山中男子部、南山中女子部は各科目200点の800点満点のため、1つの科目が苦手、あるいは入試当日、緊張して実力が出し切れなくても、他の科目で十分に挽回できる。
ただ、他の中学校では傾斜配点で、国語・算数がそれぞれ100点、理科・社会は各50点のところが多いため、国語・算数の両方が苦手で、理科・社会は大丈夫ではボーダーに達するのが難しくなる。
傾斜配点の学校では国語・算数のいずれかは6割以上の得点ができる学力はほしいところだ。

③新しいものに手を出さない

新しいものに手を出さない

ではどのテキストか?
新しいものはいらない。
塾で使用しているテキスト、またこれまで使用してきたテキストを繰り返し学習するのが一番効果的。
書店で売っている中学入試の問題集を新たに購入する必要はない。あれもこれもになって受験生が混乱するだけだ。
これまで学習してきた教材、また塾で使用しているテキスト、学習方法が一番だと信じて学習を進めることが合格への近道だ。
過去の入試問題もせいぜい過去3年分で十分、それ以上さかのぼって学習しても問題傾向が変わったりしている。
過去の入試問題は問題傾向を知るための学習であって過去3年分学習すれば傾向が分かり、例年どのあたりに難しそうな問題があるかも分かってくる。
また過去の問題はあくまでも過去のものであって、そこから出題されることはまずない。
どの塾でも対策のための問題を作成しているので、そちらの方に力を注いだ方がよい。

④初歩的ミス防止

受験する中学校や受験生の得意・不得意にもよるが、これから点数に直結する理科と社会の学習に時間を割いた方がよい。
国語と算数は問題を解きながら、初歩的なミスをして失点しないように、質問指示、条件に従って正しく答えを導く学習が中心になる。
入試が近くなればなるほど、気がはやるせいか質問を最後まで読まず何を答えるのかを勘違いした答え、質問指示見落としによるミスが目立つようになってくる。
何を答えるのか、どんな指示がでているのか、確認して答えを書いたらもう一度それを見直す学習だ。
特に男子に初歩的ミスが増える傾向がみられる。
逆にこの初歩的ミスを防ぐ取り組み姿勢が身に付いていれば、他の受験生と差をつける得点力となる。

⑤できる問題を100%得点する

各学校の説明会で「入試問題の約6割が基本・標準問題で構成され、6~7割得点できれば合格できる」ことが強調されている。
入試に満点は必要ない。
先の合格最低点にもある通り、1科目3割、4割の得点も他でカバーすれば合格できる。
応用発展的問題でいかに得点するかではなく、基本・標準問題でいかに確実に得点するかが大切だ。
中学校によっては入試問題の正答率を発表している学校もあり、正答率が低い問題にこだわるのではなく、正答率が高い問題でいかにミスなく得点できるかが重要だ。
受験生や親も、この時期どうしてもできない方に目が行ってしまう。
「できない問題をできるようにしなくては」ではなく、「できる問題を入試当日100%確実に解いて得点につなげる」方へ学習方法を切り替えた方がよい。

⑥紙と手

入試直前・入試期間中(学習編)

今できていることをいっそう確実にするために、ノートに書くこと。
これは知っている、解けるから大丈夫、ということでもノートに書く。
繰り返し、繰り返し書く。
頭で覚えたり考えたりするのではなく、ノートに何回も書いて「紙と手で考えて覚える」こと。
紙と手がフル回転する学習だ。
なぜなら入試ではどの受験生も緊張しており、中には緊張感で頭の中が真っ白になって何を解いているのか分からなくなった、という受験生もいる。
そんな時でも手が覚えていれば得点できる。何度も書く学習をしていれば手が反応して自然と動いてくれる。
この「書く」ことを怠っていると入試本番で思わぬミスにつながってしまう。
「手」が入試本番の緊張感を吹き飛ばして得点力を与えてくれる最大の味方だ。

⑦これまでの学習、今の学習を信じる

これまでの学習、今の学習を信じる

ネット上には中学入試に関する様々な情報が行き交っている。
あの塾が、この塾が、このテキストが、こんな勉強方法がよい・・・など、まさに有象無象の状態だ。
中には塾の業者同士が中傷合戦しているような、同じ私立中学校を志す者として悲しくなるような内容もある。
今入試が間近になった時期、それを読む必要もないし、それに惑わされてはいけない!
これまで取り組んできた学習、そして今真剣に追い込みをかけている努力が、合格に直結する一番の形態だと信じて我が子を励ますことだ。
百人の受験生がいれば百通りの学習方法、受験があり、どれが正しい、正しくないという問題ではない。
これまで頑張ってきた方法が我が子に一番あった正しい学習だと信じて入試に臨むことだ。
もっと違う学習をしていれば、という疑問を親が持つと、それは受験生に伝わる。
周囲のいらぬ噂のたぐいなどに耳を貸さず、合格に向けて親子で一直線に駆け抜けることだ!

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