中学、高校受験に内申点(不登校、欠席日数、成績)はどう影響する?


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中学、高校受験に内申点(不登校、欠席日数、成績)はどう影響する?

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中学、高校受験に内申点(不登校、欠席日数、成績)はどう影響する?

中学受験・高校受験の際に提出が求められる「内申点」ですが、受験の合否にどう影響するのか疑問に思われている方は多いのではないでしょうか。

ここでは、内申点とは何か、中学受験と高校受験でそれぞれ内申点がどう影響するか、内申点の上げ方などについて解説します。

目次

内申点・調査書とは

内申点・調査書とは

内申点とは

内申点とは、通知表に記載される9教科の成績(通例5段階評定)を合計した点数のことです。内申書は、正式には「調査書」と言われており、小学校、もしくは中学校の担任の先生が作成して、受験する中学校、もしくは高校に提出する文書です。内申点では、テストの成績に加え、提出物や授業態度も評価対象になりますので、「定期テストの結果」と「観点別評価」を合計した点数が最終的に内申書に記載されます。45点満点が基本になっており、特に公立高校受験においては、学力試験と共に内申点の良し悪しも入試の合否に大きく関係します。中学受験では、基本的に内申点が合否の判断として使われることはありませんが、受験校から小学校での成績を証明する資料として内申点が記載された調査書(内申書)の提出を求められることがありますので、合わせて覚えておきましょう。

内申点を提出する目的

公立高校の入試では、学力検査と内申点を合計して算出される「総合点」で合否が決まりますので、内申点の提出は必要不可欠になります。内申点が公立高校の入試で合否に影響を与える理由は、文科省が、「中学校での学習成果や生活態度、課外活動の成果なども評価に含める」という教育方針を立てているからです。つまり、公立高校の入試は、入試での学力テスト1回で決まるものではなく、普段の努力も加味してくれるシステムです。高い内申点を取ることができれば、公立高校の入試を有利に進めることができますので、普段から中学校での授業もしっかり取り組みましょう。

一方、中学入試で内申点の提示を求められるのは合否に関わるような重大な目的のためではなく、小学校での過ごし方や欠席日数の確認など、面接時の参考資料に使われます。

内申点の決まり方

内申点の決まり方

地域差がある

内申点の対象となる学年の成績は、各都道府県により異なります。例えば、北海道や青森、京都・長崎・沖縄他22県は1年・2年・3年すべての成績を対象とし、岩手・富山・石川他2県は2年と3年のみ、東京・愛知・大阪・兵庫他10県は3年のみ、宮崎県は非公表になっています。

また、判定基準も地域ごとに違いがあります。たとえば、東京都の公立高校一般入試の場合は、3学年2学期のみの評定を用い、主要5教科は1倍、その他4教科は2倍にして計算します。

自分の住んでいる都道府県はどの学年の成績を内申点の対象とするか、計算式はどのようなものになるのか、しっかりチェックしておきましょう。

観点別学習状況の評価について

観点別学習状況の評価とは、文科省の新学習指導要領に対応した学習評価のことで、「各教科・科目の目標や内容に照らして、生徒の実現状況がどのようなものであるかを、観点ごとに評価し、生徒の学習状況を分析的に捉える評価方法(※)」のことです。令和3年度から、観点別学習状況の評価は以下の3観点から3段階で評価されます。

(※)参照元:文部科学省

観点

①知識・技能
②思考力・判断力・表現力
③学びに向き合う力・人間性等

①の知識・技能の観点では、「各教科で学ぶ内容について理解できているか、応用して使えるか」などがポイントになります。②の思考力・判断力・表現力は「得た知識を問題解決に向けて正しく使える力」を見られます。③の学びに向き合う力・人間性等は、主体性を持って学ぶ力やグローバル化に対応するリーダーシップや相手を思いやる心を持ち合わせた人間性を獲得できているかが評価されます。

これら3つの観点を、以下の3段階で評価します。

3段階評価(A~C)

A:十分満足(80%以上)と判断されるもの
B:おおむね満足(60%以上)であると判断されるもの
C:努力を要する(60%未満)と判断されるもの

定期テストに加え、授業中の態度や積極性、提出物、プレゼンの完成度、宿題の取り組みなどをもとに総合的に評価していきます。通知表には「AAB」「BBA」などと記載され、それを元に最終的に1~5の評定が下されます。

中学受験における内申点の影響

中学受験における内申点の影響

私立中学の場合

私立中学の場合は、出願時に調査書の提出を求めない学校も多く、また提出を求めたとしても合否の判定に内申点を重視しないことがほとんどです。そのため、私立中学入試は受験生自身が努力して身に付けた「学力」で合格をつかみとることができる、小学生の意欲を高める入試形態になっています。この「公平性」に魅力を感じる家庭が近年多くなっている傾向にあり、愛知県にある私立中の総受験者数が1万2千名近くに達しています。

ただし、受験する私立中学校によっては、所属する小学校における出席日数や集団生活での様子などを参考にするところもありますので、特別な理由のない長期の欠席や協調性を著しく欠いた行動は控えた方が良いでしょう。自分の受験する私立中学校が、内申書のどの点を重視するか、出願時にあらかじめ確認してください。

公立中高一貫校の場合

公立中高一貫校の入試は、基本的には「報告書(調査書)」「適性検査」「作文」「面接」となっており、学校によっては二次検査や抽選を行うところもあります。入学を希望する場合は、それらすべての項目で高評価を得る必要があります。この時、小学校での過ごし方を総合的に評価する目的で報告書(調査書)が使われます。公立中高一貫校への入学を希望する小学生は概して内申点(成績)が良い傾向にありますので、「所見」の部分で担任の先生から高評価をもらい、他の生徒と差のつく報告書を作成してもらう必要があります。そのため公立中学を目指す場合は、内申点が合否に大きく関わります。

高校受験における内申点の影響

内申点の扱い方は、都道府県や高校によって異なります。評価の対象となる学年や重視される教科、内申点と学力検査の配分比率などさまざまなので、必ず自分が住んでいる地域や志望校の入試内容を確認しておきましょう。特に公立高校入試では、内申点の良し悪しが合否を左右しますので、内申点があまりよくない場合は合格は難しくなります。以下にて、愛知県の公立高校入試と岐阜県の公立高校入試で使われる内申点と当日点の比率を記します。

【内申点と当日点の比率】

入試の種類 調査書・内申書の扱い
愛知県
公立高校入試
・第一段階として、内申点と当日点を同じ比率で扱い、その合計点で合否を判定。
・第二段階として、各高校が事前に設定した三つの選抜方法から各高校が選択して判定。
・内申点+当日点
・内申点×1.5+当日点
・内申点+当日点×1.5
岐阜県
公立高校入試
・「中1と中2の各教科の評定の合計値」+「中3の各教科の評定」×2の内申点を使用して判定。
・内申点と当日点の比率は、「7:3」、「6:4」、「5:5」、「4:6」、「3:7」から各高校が選択

愛知県の公立高校入試では、3年次の成績で内申点が計算されますが、この時内申点がとれていないと、第一志望校を断念せざるを得ないこともあります。岐阜県では中1の内申点も高校入試の合否に加味されますから、中学校生活のスタート直後から気を引き締めて学習に取り組まないと高い内申点が取れず、希望の公立高校に出願できなくなる可能性も出てくるでしょう。また高校入試の際に内申点と本番のテストの配点率が「7:3」、「6:4」の高校では、学力が高いけれど内申点の低い生徒は当然不利になります。このように、内申点は公立高校の入試の合否に大きく影響を及ぼすことを覚えておきましょう。

内申点が低いとどうなる?

内申点が低いと、行きたい志望校を変更しなければならない可能性が高くなります。先ほども述べましたが、公立高校の一般入試・推薦入試では、内申点が低いと試験に突破するのはかなり厳しくなります。特に公立高校の推薦入試は倍率が高く、内申点の高い生徒同士の熾烈な戦いになりますので、内申点が低い場合は足切りに合ってしまい、出願さえできないことも考えられます。

私立高校の推薦入試でも合否判定に内申点を用います。ただし、私立高校の一般入試であれば、本番のテストの結果のみで合否が決まりますので、内申点が低くても影響はありません。そのため、学力は高いけれど内申点を取るのに苦戦している生徒は、難関私立高校を第一志望にするケースが多いです。

公立と私学を併願することも想定して、日ごろから内申点を高められるよう意識して行動しましょう。

内申点を上げる方法とは?

内申点を上げる方法とは?

定期テストの成績を上げる

内申点を大きく稼ぐのに最も効果的な方法は、9教科の定期テストで高得点を取ることです。実技4教科(保健体育・技術家庭・美術・音楽)も内申点に加味されますので、どの教科も手を抜かないように、お子さまによく言い聞かせてください。定期テストで高得点を取るためには、毎日授業をよく聞き、家に帰って来たら必ず復習することを習慣づけさせる指導を行いましょう。勉強時間をしっかりと確保し、理解して定着するまで問題演習を行えば、定期テストでも素晴らしい結果が出せるはずです。

課題提出や小テストの取り組み

学校では、授業の補助教材としてワークブックやプリントを配布し、自宅学習後に提出を求めたり、授業内容の理解度をはかるためにレポートを課したりすることがあります。先生によっては、日々の授業をきちんと聞いているかを評価するために、ノートをきちんと取っているかチェックする人もいます。美術や技術家庭などの場合は、指示された自作作品を提出するよう指示されることも。いずれの場合も、生徒の日々の頑張りを評価するためのものですので、出された課題はすべてきちんと取り組み期日内に出させるよう、お子さまの課題提出スケジュールをチェックしましょう。

また、時々行われる各教科の小テストにもしっかり取り組ませることも大事です。小テストの結果も内申点の一部として加味されますし、小テストの範囲も定期テストの一部になることもありますので、日ごろから真面目に取り組むことで、結果的に内申点アップを狙うことができます。

授業は真剣に取り組む

授業態度が悪いと内申点の評価が下がります。授業が始まっているのにいつまでもおしゃべりをしていたり、居眠りやスマホいじりなどの行動は控え、授業に積極的に参加するように、お子さまに重々話して聞かせましょう。授業に真剣に取り組むことで、その科目に対する理解が深まり、定期テストで点が取りやすくなって、結果的に内申点アップにつなげることができます。

遅刻・欠席をしない

頻繁な遅刻や欠席は、内申点評価に響きます。理由なき欠席や生活習慣の乱れが原因の遅刻はさせないようにしましょう。

部活・委員会などで精力的に活動している

自分の興味関心のある部活動、生徒会、委員会にじっくりと取り組み、積極的な参加をすると評価アップにつながります。しかし、内申点アップだけを狙って無理してこれらの活動に参加すると、勉強時間が十分に取れなくなって、成績を落とすこともあり得ますのでお勧めしません。内申点を大きく決めるのは定期テストの成果ですので、勉強に悪影響を及ぼさない範囲でこれらの活動に参加させるようにしましょう。

まとめ

内申点は、主に公立高校受験の際に受験生に大きな影響を及ぼします。学校の定期テストで高得点を取るようにすればある程度内申点が取れますし、あとは積極性や普段からの真面目な取り組みがアピールできれば問題ありません。ただし、難関校の公立高校受験では、ほとんどの受験生の内申点が高いので、最後は学力勝負と言えます。難関校受験に得意な名進研で、難関公立高校を突破するための十分な学力を身に着けましょう。

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