朝ごはんは子どもの成績に大きく影響する!平均10~20点もの差が出る
文部科学省の調査によると、朝ごはんを毎日しっかり食べている子どもは、勉強の平均正答率が高く、体力テストの結果も優れていることが発表されています。つまり、朝食の習慣は子どもの学力や体力、さらには生活習慣全体にも大きな影響を与えているのです。
※参考:文部科学省 資料(Q.7)
調査結果では、国語で10点以上、数学では20点以上の差が、朝ごはんを食べる子どもと食べない子どもの間で出ていることが明らかになっています。
しかし近年、朝食をとらない子どもの増加が社会問題となっています。
例えば2018年度の「全国学力・学習状況調査」によると、毎日朝ごはんを食べている割合は84.8%。一方で、約15%の子どもは朝食をとる習慣がないとされています。
では、なぜ「朝ごはんを抜くこと」が成績や成長に悪影響を与えるのでしょうか?
理由はシンプルで、脳が働くために必要なエネルギーであるブドウ糖が12時間分しか体に蓄えられないからです。夜ごはんを食べてから12時間以上が経過すると体内のエネルギーは不足し、朝食を抜くと脳の働きが鈍り、思考力や集中力、やる気の低下につながってしまいます。
さらに、子どもの体と脳が成長するためには、エネルギーだけでなく栄養バランスも欠かせません。
タンパク質、カルシウム、ビタミン、食物繊維、マグネシウムなどを朝食からバランスよく摂ることで、学力の土台となる「健康な体」と「よく働く脳」が育ちます。
つまり朝ごはんは成績アップと子どもの成長に不可欠な役割を担っているのです。
ただし、朝は家族全員が出かける準備で忙しく、ゆっくり調理に時間をかけられない家庭も多いでしょう。さらに、朝食は毎日の習慣なので「できるだけ手軽で、同じようなメニューを繰り返す」スタイルを選ぶ方も少なくありません。
そこで今回は、栄養バランスを意識しながら、忙しい朝でも簡単に準備できるおすすめの朝ごはんメニューをご紹介します。
朝に熱々のスープを摂ると身体が温まって活動レベルが上がる
やはり朝ごはんは重要— ぱすかる (@pasucaru2) November 17, 2021
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朝ごはんの中心は炭水化物
脳が働くために欠かせないエネルギー源はブドウ糖です。このブドウ糖を効率よく作り出せるのが炭水化物。
砂糖などの単純な糖分から摂るとすぐにエネルギーになりますが、持続力がなく集中力が途切れやすくなってしまいます。
そのため、朝ごはんではごはんやパンといった炭水化物を中心にしたメニューを意識し、ゆるやかにエネルギーへ変わる食品を選ぶことが重要です。
炭水化物は食後にブドウ糖へ変わり、脳へ届けられることで学習効率や成績にも良い影響を与えます。
特にご飯は炭水化物だけでなく、タンパク質・ミネラル・ビタミンも含まれ、パンに比べて低GI食品のため腹持ちが良いのが特徴です。
冷蔵庫にしゃけ、おかか、昆布、梅干し、納豆、ふりかけ、漬物などがあれば、子どもが自分で好きなものを選んで組み合わせることができます。
お茶漬けの素を使って「朝ごはん茶漬け」にすれば、体も温まり手軽に食べられます。
また、プロ野球選手の田中将大さんや政治家の菅官房長官が取り入れている朝カレーも、栄養と満足感の両方を得られる工夫のひとつです。
一方、パンを主食とする朝ごはんでは、ジャム・はちみつ・バターなどをそろえておけば子どもが自分の好みに合わせて選べます。
食パン、フランスパン、クロワッサンなど種類も豊富で、トッピングを工夫するだけで飽きずに続けられるのがメリットです。
たとえば、キューピーの「パン工房」シリーズ(ピザトーストやツナ&マヨ)、カゴメの「パンのせ野菜」など市販の商品を活用すれば、簡単に栄養バランスをプラスできます。
さらに、パンケーキなどスイーツ感覚の朝ごはんも子どもに人気です。
朝から食欲がわかない子どもでも、甘いものなら自然と手が伸びることもあります。
炭水化物や糖分は日中の活動エネルギーとして消費されるため、食べすぎに注意すれば心配は不要。
むしろ脳をしっかり目覚めさせ、1日のスタートを切るために効果的な朝ごはんメニューといえるでしょう。
朝ごはんにプラス1品!タンパク質や脂肪分を摂ってバランスアップ
子どもの脳を動かす主なエネルギーは炭水化物ですが、それだけでは十分ではありません。朝ごはんの成績への効果を高めるには、炭水化物に加えてタンパク質や脂肪分を組み合わせることが大切です。
東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授と文部科学省の共同調査では、「朝食でおかずを食べていない人」は認知機能テストの結果が悪く、一方「朝食でおかずを取り入れている人」は品数が多いほど1年間で成績が伸びた、というデータが示されています。
引用元:プレジデントオンライン 「おかずを増やしたら、子供が賢くなる!」
成績や集中力の向上、さらに子どもの成長を考えると、朝ごはんにはタンパク質と脂肪分をしっかり取り入れることが理想です。
タンパク質が豊富な食材としては、肉・魚・卵・乳製品・豆類などが定番。朝食メニューに取り入れやすい例を挙げると、ハムやウインナー、焼き鮭、納豆などがあります。
中でも卵料理は特におすすめ。卵焼き、目玉焼き、ゆで卵など簡単に作れる上、ごはんにもパンにも合わせやすく消化も良い万能食材です。調理法を変えるだけで毎日の朝ごはんに変化をつけることもできます。
さらに、脂肪分をプラスすることで腹持ちが良くなり、午前中の集中力をキープしやすくなります。おすすめはヨーグルト。タンパク質と脂肪分をバランスよく含み、フルーツ入りのタイプならビタミンも一緒に摂れます。冷蔵庫に常備しておけば、出すだけで手軽に「プラス1品」が完成するのも嬉しいポイントです。
また、お味噌汁やスープを添えるのも効果的。粉末タイプならお湯を注ぐだけで完成し、温かい汁物は消化を助け、体を温めるので一日のスタートにぴったりです。
主食+おかず+プラス1品の工夫で、朝ごはんの栄養バランスが整い、子どもの学力や成績アップにもつながります。
調理いらず!手間をかけずに栄養バランスが整う朝ごはん
「忙しくて朝ごはんを作る時間がない…」そんな方には、シリアルやフルーツを活用した朝ごはんがおすすめです。
シリアルは牛乳や豆乳をかけるだけで完成する手軽さが魅力。フルーツグラノーラ、コーンフレーク、チョコフリスピーなど種類も豊富で、一品で炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取できます。特に子どもでも自分で用意できるため、食習慣の定着にもつながります。
さらに、フルーツ+ヨーグルトの組み合わせも栄養バランス抜群です。
バナナは炭水化物を多く含み、脳のエネルギー補給にぴったり。他にも、みかん・いちご・ぶどうといった果物はカット不要でそのまま食べられるため、忙しい朝に最適です。ヨーグルトを加えればタンパク質や脂肪分も一緒に摂れ、腹持ちの良さや集中力の持続にもつながります。
朝ごはんを抜くことは「欠食」と呼ばれ、子どもの健康や成長、そして学力や成績に悪影響を与えると指摘されています。
授業中の集中力ややる気を維持するためにも、まずはご飯やパンだけでも食べることから始めましょう。そして少し余裕があれば、卵料理・焼き鮭・ハム・ウインナー・ヨーグルト・シリアル・フルーツなどをプラスして栄養バランスを整えると理想的です。
忙しい朝でも、工夫次第で簡単にエネルギーと栄養を補給することができます。
「朝ごはんは1日のスタートを決める大切な習慣」――この記事が、日々の食卓を考えるヒントになれば幸いです。
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