早期教育(幼児期の習い事)は必要なのか?効果があるのか?


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早期教育(幼児期の習い事)は必要なのか?効果があるのか?

早期教育(幼児期の習い事)は必要なのか?効果があるのか?

親ならば子供に「少しでも良い方向に育ってほしい。」と願うものです。
オリンピックの選手とまではいかなくても、スポーツで活躍をしたり、良い大学に入学してほしいと考えたことはないでしょうか?

テレビ番組や雑誌でも、子供に教育をするなら早い内にと「早期教育」が取り上げられることがしばしばあります。
例えば、「浅田真央さんは3歳からスケートの他に9つの習い事をしていた」、「将棋の藤井聡太さんは小さい頃からモンテッソーリ教育を受けていた」、「モーツァルトは幼少期より厳しい英才教育を受けていた」などの話です。
また「天才を育てるなら3歳までに」などという話は、一度は聞かれたことがあるのはないでしょうか?
これは3歳までに脳の80%ができあがると考えられていたため、それまでに教育をした方が良いという理由から生まれた言葉です。

ですが、本当に早期教育は必要なのでしょうか?
身近に早期教育の効果を知るために、周りで「習い事をしていた人」と「ほとんど習い事に行ってなかった人」を比べるくらいでしか効果を知ることはできません。
今回は、早期教育が必要なのか?必要でないのか?を記事として取り上げたいと思います。

目次
  1. 早期教育とは何か?
  2. 幼児期に習い事をする効果・メリットとは?
  3. 幼児期に習い事をするデメリットとは?
  4. 早期教育を受けたからといって、必ずしも芽が出るわけではない
  5. 幼児期の習い事はいくつから?いつから?
  6. 幼少期に得て成長するにつれ活かされる能力とは?

早期教育とは何か?

「早期教育」とは、子供がまだ小さなうちから教育を施すこと、子供自身の意向ではなく保護者など周囲の大人の方針で早い時期に子供に色々教えることを言います。
早期教育は大きく分けると2つあり、「赤ちゃんがまだお腹の中にいる胎児期と0歳・1歳などの乳児期に行われるもの」、「2歳から小学校入学前までの子供に行われるもの」があり、今回は後者の2歳~小学校入学前までに行われる早期教育について取り上げます。

幼い頃は、知的好奇心が旺盛であり、思考がまだかたまっていない時期に教育を行うことによって、たくさんのことを吸収しやすいと言われています。
そして、これらの習い事を通して「考える力」、「学習能力」を高めることができ、将来への可能性をも広げることを期待して行われるのです。

早期教育の種類としては、一般的に
・「体操」、「サッカー」、「武道」、「野球」、「水泳」などのスポーツ系
・「リトミック」、「ピアノ」や「工作」、「ダンス」などの芸術系
・「学習塾」や「英語教室」、ひらがなやモノの名前やひらがなを覚えさせる「フラッシュカード」などの学習系
があります。
※フラッシュカードはカードに描かれた絵や文字を子供に見せ、子供に何の文字か絵か答えさせるものです。2、3秒ほどの短い間隔でカードをめくっていきます。
親や周囲の大人の考え方によって、どの教育を早めに与えるかは違って来ますが、一般的に早期教育としては英語やピアノ、水泳などが人気です。

幼児期に習い事をする効果・メリットとは?

早期教育のメリットはまず、子供の得意分野・能力を早期から伸ばせることです。
幼少時には右脳がよく働いていると言われており、習い事をすることで得意分野を強化するための下地作りが出来ると考えられています。
「体操や水泳をして身体能力を高める」、「ピアノを習って音感をよくする」、「英語で日本人には難しいRとLの発音の使い分けができる」などその後の人生に大きくかかわる基礎能力を高めることが出来ます。
他にも、サッカーの基礎を幼少時からすることで、小学校~中学校の時には、習い事をしていなかった人よりサッカーの技術を高めることができます。
また色々と取り組ませたことで、早い内に子供が「得意なこと」や「興味を持つこと」、「好きなこと」を見つけることに役立ちます。
子供が「興味を持つこと」や「好きなこと」は何か、親子で一緒に考える機会になるのが早期教育でもあります。

幼児期に習い事をするデメリットとは?

早期教育のデメリットは何がある?

・成長してみれば、結果的に習い事によっては差がなくなる場合もありえる
例えば3歳で英語教室に習い始めたとしても、「途中で英語教室を辞めた場合」や継続的に英語に取り組んでいなくて、子供が中学生になった場合、周囲の子たちとあまり差異がない場合が考えられます。
他にも、フラッシュカードなどの教育は、頭で考えずに機械的に答えを導き出す作業を繰り返すことになります。
言葉や数字を単純に多く記憶しただけという習い事では、継続して行わない場合、中学生や高校生の頃には周囲との差がなくなることが考えられます。
それはなぜか?フラッシュカードなどは、自分自身の経験を通して、頭で考えたものではないため、本当の考える力とは異なる場合があります。
「記憶力が優れている」=「考える力が伸びた」というわけではないということを、理解しておく必要があります。

・子供が嫌がっていることを親が強要させてばかりだと子供が嫌になり、興味を持つ力やヤル気を失う場合がある
習い事は、身にならないばかりか親から習い事を強要されすぎたことより、様々なことに興味やヤル気を持てなくなるケースもあります。
子供自身が「おもしろい」、「楽しい」と感じたことは好きですが、自分が苦手、嫌いだと感じたものを強要されると余計に嫌いになったり、やりたくなくなるものです。

・親が子供に過度の期待をして子供のプレッシャーが大きくなりすぎる
子供に成長してほしいからと言って、「子供がどう変化をしたか?」など、すぐに結果や見返りを求めすぎることもよくありません。
例)大会で優勝する、できなかったことがどんどんとできるようになる
子供としては、結果を求められることにより、過度のプレッシャーになり、習い事が嫌になる可能性があります。

親が「子供にどうなってほしいか?」ということを子供に強要をしつづけると、子供自身の気持ちを無視することになり、逆に嫌いになることも考えられます。

早期教育を受けたからといって、必ずしも芽が出るわけではない

早期教育を受けたからと言って必ずしも良い結果が出るわけではない

また早期教育を受けたからと言って、必ず「才能が発揮される」、「突出した活躍をする」、「能力が目立って高まる」わけではありません。
才能を発揮することは、「子供本人の好みと才能がピッタリとあてはまる」「元々強い特性を持っていた」など複数の要因が重なった結果ですので、子供自身にどんな好みがあり、どんな才能があるかはわかりません。
有名になった人や活躍をした人が「なぜ活躍ができたのか?」が、早期教育を受けたからであるという明確な調査データもないためわからないというのが現状です。
しかし、突出した活躍をしなくても、早期教育が本人に活かされている場合も多く見受けられます。
周りでもこんな方はいないでしょうか?
例えば

  • ・ピアノを習っていたので音感が良い
  • ・そろばんを習っていたので計算が得意
  • ・水泳を習っていたおかげで水泳の授業で苦労したことがない
  • ・習字を習っていたため字が綺麗

上記のように能力が高まることも考えられるため、早期教育が決して無駄になるわけではありません。

幼児期の習い事はいくつから?いつから?

幼児期の習い事は大体3歳ぐらいから始められるところが多いです。
これはプレ幼稚園に行ける年齢を考えてもわかると思いますが、先生の言うことを聞いてなんとか実行できる年齢となります。
もちろん習い事によって始められる年齢は違いますので、教室に聞くかホームページなどで確認をするのが良いでしょう。
まだ複雑なことはできませんので、ピアノというよりもリトミックで音に合わせて楽しんだりするものが多いです。

幼少期に得て成長するにつれ活かされる能力とは?

幼少期に得て成長するにつれ活かされる能力とは?

習い事によって様々な結果が得られることはわかりましたが、そもそも幼少期に得て成長するにあたって活かされる能力とはなんでしょうか?
人の能力の基礎となるのは、思考力、言語能力、運動能力、音感、色彩感覚などです。
これは特別な英才教育をするわけではなく、音感であればいろんな楽器の音を聞く、色彩感覚であれば様々な絵本や図鑑を見る、運動能力であれば公園で遊ばせる、思考力や言語能力は子供に話して考えさせるなど普段の生活を通してできることばかりです。
また幼少期には様々な知識の基礎となる原体験が大切と言われています。
具体的には触覚、味覚、嗅覚を使って火、土、水、木、動物、石などの自然を感じることです。
なぜ必要かと言うとテレビやyoutubeなどの映像だけでは、視覚と聴覚だけでしか感じられず五感で得たリアルな知識ではないからです。
例えば実際にキャンプファイヤーをして火の熱さを感じる、砂遊びをして土の匂いをかぐ、川の水に触れて冷たさを感じる、家で植物を育てることが子供の経験・知識になります。
生活や遊びを通して子供に様々な経験をさせることにより想像力・感情表現が豊かな子供に育ちます。
そのうえで習い事などの様々な経験を通して子供自身が自分の好きなことや追求したいことを見つけることが、子供の才能を早く見つける方法でもあります。
そのため親の期待ばかりかけ子供に習い事をどんどんと強要するのではなく、子供自身がやりたいと思えるものを見つけるために子供自身に習い事も含めて様々なことを体験させることがよいのではないでしょうか?

またその年齢毎にあった適切な教育がありますので、子供にとってまだ難しすぎることや楽しめていないようなことを親が子供に無理に押し付けることはやめるほうが望ましいでしょう。
子供には一人一人得意なことや興味があることが必ずあります。
それを見つけて伸ばすことが大切であって、他の子供との成長度合いを比べて競争をさせてばかりでは、逆効果になる場合があることを覚えておきましょう。

早期教育といっても色々なものがありますが、例えばスイミングへ通わせることは水に慣れさせ恐怖心を取り体力をつけられることは、将来水泳選手にならなくてもその子のためになるでしょう。
ピアノを習うことで音感を鍛え、楽譜を見ながら演奏をすることで結果的に脳も鍛えます。
大人になってピアノを弾かずとも、習い事によって鍛えられたリズム感や音感は一生もののはずです。
早期教育は親も子供も無理をしすぎず楽しめるものを選ぶことをおすすめします。

【中部教育ラボ】 監修:名進研

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