私立中高の6年間の英語学習とは?鶯谷中、海陽中、大成中の授業内容を紹介


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私立中高の英語力 6年間の強み 私立中講座⑪

シリーズ私立中講座

中学高校の流れがある

目次
  1. 私立中高の英語学習は6年間の流れがある
  2. 私立中高の英語の授業では留学コースもある
  3. 海外大学への進学

私立中高の英語学習は6年間の流れがある

前回名古屋中の例でも一部紹介したが、通常の授業に加え国内、国外への語学研修・留学により、6年間の英語学習の流れが確立しているのも中高一貫校の私立の強みだ。
公立は中学と高校でどうしてもその流れが分断されてしまい、継続的な学習を積み重ねることが難しい。

岐阜市にある鶯谷中では昨年度から6年間のプログラムが用意され、生徒もそれに沿って学習を進めると自ずと大学入試の4技能に対応できる英語力習得につながる流れになっている。

学校案内のパンフレットとは別に、「鶯谷グローバル教育」のパンフレットも別途配付されて説明もされている。
その内容は下記のようになる。

【鶯谷中学高校 ブローバル教育の流れ】

学年 プログラム 概要
中1全員 アメリカ生活体験学習 アメリカの町を模した施設、大阪イングリッシュ・ビレッジにおいてアメリカの生活体験。
中2全員 イギリス生活体験学習 16世紀のイギリスの村(ハリー・ポッター)を再現したブリティッシュ・ヒルズでイギリスの生活体験。
中3全員 アメリカ生活体験学習 大阪イングリッシュ・ビレッジにおいてアメリカの生活を体験し、1年生時からの伸びを確認。
中3希望者 イギリス研修 イギリスのイングランドにおいて英語を母国語としない各国の同世代の若者と交流し、ともに英語を学ぶ(英検3級以上の取得者)
高1・2希望者 アメリカ研修 アメリカのクレアモントカレッジにおいて大学生を相手にプレゼンテーションの能力を鍛える(英検準2級以上の取得者)。

さらに次の各種講座も用意されている。

中2対象 英語グレードアップ講座 中学英語の完成、英検3級合格を目指す講座。
火曜日、金曜日の第7限、土曜日の第4限。
高1・2対象 英語アクティブスタディ講座 英会話スクールのネイティブの講師を招いて実施。
平日放課後、週1回。
高2対象 英語検定スコアアップ講座 大学入試の新テスト対策の一環として、英検だけでなくTOEICやGTECなどのための対策講座。
プレゼンテーション、面接ができる英語力を育成。土曜日午後、全10回実施。

平常の授業にプラスして、中学から高校までの各種研修と資格試験の対策講座、一つ一つステップアップできる流れは在校生や保護者に安心感を与えている。

私立中高の英語の授業では留学コースもある

留学コースもある

さらに、英語を本格的に学習したい生徒のために、愛知県の一宮市にある大成中では、中高一貫コースの中に、高校進学時からグローバルフューチャーコースを設けている。
このコースを選択すると、1年間のカナダ留学(ニュージーランドかフィリピンのセブ島を選択)して、英語を徹底して学ぶことができる。
さらに、生徒がより留学しやすいように、来年度から3か月間の留学も可能になる。
6年間の流れは次のようになっており、中学校は3年間スチューディアコースで学び、高校に進学する際、留学することができるグローバルフューチャーコースか、難関大学・学部を目指す理系・文系コースを選択することができる。
英語や海外留学に関心が高い生徒は徹底して学ぶ環境が用意されている。

【大成中高 6年間の流れ】

中1 中2 中3 高1 高2 高3 卒業後
スチューディアコース
(中高6年生コース)
グローバルフューチャーコース
(次の二つの留学を選択)
・1年間のカナダ留学
・3カ月のニュージーランドまたはセブ島留学
国公立大
難関私立大
海外大
理系進学コース
文系進学コース
難関国公立大
医歯薬学部
難関私立大

大成中の方針として英語圏だけでなく、アジアの一国として近隣の国々のことを知るために、「TAISEI GLOBAL PROJECT」として、中学生のうちから様々な国に行くことができることも、私立中らしい。

【海外研修 夏期 希望制】
・モンゴル姉妹校研修(中1・2):モンゴルで実際にゲル生活も体験する。
・セブ島語学研修(7日間。中3、高1・2):冬期にも実施してリピータが多い。
・カンボジア研修(高1・2):アンコールワットの修復のボランティアにも参加。
【海外研修 冬期 希望制】
・ニュージーランド語学研修(1ヶ月、中3):生徒一人でホームステイ。
・セブ島語学研修(14日間、中3)
・オーストラリア姉妹校留学(14日間、中3):約8割の生徒が参加
【国内研修】
・グローバルアリーナイングリッシュキャンプ(九州、中1・2希望者)
・OSAKA ENGLISH VILLAGA(中2全員参加)

多彩なプログラムが用意され、広い視野でグローバルを学ぶ環境があることが分かる。
特に中学生が参加できる研修が多数あり、これこそ中高一貫だからこそできる特徴と言える。
さらに、中1から挑戦できるスピーチコンテスト・プレゼンテーションがあり、2005年度から海外留学生がアメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、フランスなどから大成に来て学び、留学生から前向きな姿勢を学ぶことができるビジットプログラムもある。
また、大成中は浄土真宗の学校として、毎年京都の東本願寺に参拝しており、その際、海外からの観光客に話しかけるフタディフェスタと、これでもかというほど英語を学習して「活用」できる環境が用意されている。

海外大学への進学

海外大学への進学

6年間の流れがある英語教育、広い視野を養う様々なプログラム、私立中の英語力はどんどん進化していく。
大学入試改革に対応できる、という視点だけでなく、今後は海外大学への進学も増えていくことも考えられる。
私立中高生の躍進が楽しみだ。

現状でも海陽中等教育学校ではこれまで下記の海外大学に進学しており、今後のこの流れは他の私立中高にも広がっていくだろう。
海陽中等教育学校は愛知県の蒲郡市にある男子校で、国内でもめずらしい全寮制の学校だ。
生徒全員が寮に入って6年間過ごす学校で、その教育内容はまた改めてこのサイトでも紹介しよう。

【海陽中等教育学校 海外大学進学先】

・Swarthmore College ・Macalester College ・Brown University
・Wesleyan University ・Lake Forest College ・Williams College
・DePauw University ・精華大学 ・北京大学

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