2020年度 中学入試 女子校を占う 金城学院中、南山中女子部などの入試情報


中部地方の教育・受験情報なら中部教育ラボ

2020年度 中学入試 女子校を占う 金城学院中、南山中女子部などの入試情報

シリーズ私立中講座

この記事を読むのに必要な時間は約 17 分 です。

2020年度 中学入試 女子校を占う 名古屋女子大中、金城学院中、南山中女子部など

2020年度入試まであと約2カ月、2019年度入試を受けて、来年度入試はどんな状況が予想されるだろうか。
今回は前回の男子校に続いて女子校の動向を見てみよう。
2019年度入試では大半の女子校が志願者、受験者が増加し、女子校人気が高まった年となった。
2020年度は入試要項・日程に大きな変更はなく、全体の流れとしては2019年度の流れを踏襲すると考えられるが、個々の学校については、一部難度の上昇が予想される学校もある。

名古屋女子大中学校

2020年度、名古屋女子大中が愛知県の女子校で最初の入試となる。
この3年間の名古屋女子大中の入試データを見ると、2019年度は前年度の約2.7倍の志願者数となり、ここまで一気に増えるのは珍しい現象だ。
新校舎、系列の名古屋女子大学に新たに開設された看護学科、また今年度、名古屋大学への合格者を2名輩出するなど、注目度が高まっている影響だ。

<名古屋女子大中 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 120名 185名 179名 147名 40名 1.22倍
2018年 120名 197名 184名 178名 66名 1.03倍
2019年 120名 527名 516名 461名 82名 1.12倍

ただ、その分、合格者を多く発表しているため、実質倍率には大きな影響はなく、逆に2017年度よりは易しくなっている。2020年度もこの傾向は続くと予想され、500名以上の志願者、受験者が見込まれる。

<名古屋女子大中 合格者平均点>

  国語 算数 社会 理科 合計 ボーダー
配点 100点 100点 50点 50点 300点
2017年 68.2点 55.1点 30.2点 26.4点 179.9点 非公表
2018年 66.0点 65.7点 34.0点 27.6点 193.3点 非公表
2019年 58.1点 63.3点 28.3点 21.1点 170.9点 非公表

各教科の合格者平均点で注目されるのは理科の平均点が低いことだ。
名古屋女子大中は社会と理科の問題が同時に配付されて、60分間、自分で時間配分を決めて2教科を解く形式のため、理科の時間に片寄りすぎないように、時間配分はしっかりと確認すること、また国語では字数の多い記述問題が出題されるので、その対策が必要になる。

金城学院中学校

金城学院中学校

名古屋女子大中の翌週に行われる金城学院中、ここ数年、新校舎完成、入学試験の上位150名が受給資格となる奨学金制度「金城サポート奨学金ジュニアハイ」の導入など、新しい話題が多いこともあり、2019年度入試では志願者、受験者ともに増加、2020年度も今年度と同じぐらいの状況になると予想される。

<金城学院中 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 320名 876名 866名 599名 324名 1.45倍
2018年 320名 812名 791名 576名 322名 1.37倍
2019年 320名 820名 801名 594名 330名 1.35倍

また、この3年間の合格者平均点を見ると、特に国語と算数で、1年おきに問題難度が上下していることが分かる。

<金城学院中 合格者平均点>

  国語 算数 社会 理科 合計 ボーダー
配点 100点 100点 50点 50点 300点
2017年 64.3点 58.0点 29.0点 32.2点 183.5点 143点
2018年 50.9点 69.0点 25.0点 31.0点 175.9点 137点
2019年 56.8点 57.8点 28.7点 31.7点 175.0点 134点

2020年度は国語の平均点が下がり、算数の平均点が上がる年と予想されるが、平均点の変動が大きい教科ほど、問題レベルを正確に見極めることが大切だ。
2018年度、国語の合格者平均点が50.9点ということは、おそらく100点満点で40点、30点台でも合格している受験生がいることになる。
問題が例年と比べて難しい場合、焦るのではなく、「この問題は難しい! 他の受験生もできない、平均点は低い!」と自分自身に言い聞かせる冷静さが必要になる。
「できない! だめかもしれない!」という気持ちが先行すると、次の教科を落ち着いて取り組むことができなくなる。平均点が毎年動く学校は、金城学院中に限らずこの「気持ちの切り替え」が重要になる。
また、金城学院中は女子校の中で唯一、保護者同伴の面接が午後に実施されている。順番によっては1日がかりの入試になるため、体力、気力ともに充実して臨みたい。

聖霊中学校

聖霊中はVAP選考で入学者の多くが決まること、またVAP選考、一般入試のそれぞれのデータが公表されておらず、一般入試の状況が不明のため、VAP選考と一般入試、合計のデータのみ掲載。

<聖霊中 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 200名 472名 466名 462名 187名 1.01倍
2018年 200名 543名 535名 387名 201名 1.38倍
2019年 200名 360名 346名 282名 200名 1.23倍

南山中学校女子部

金城学院中、名古屋女子大中の入試、発表後に南山中女子部の受験となる。附属の小学校から約40名進学してくることから、実質約160名定員の狭き門となり、この地区の中学入試で実質倍率が3倍を超える唯一の学校となっている。
だからと言ってひるむ必要はなく、受験に弱気は禁物!
「合格を勝ち取る!」という強い気持ちで臨みたい。
また、南山中女子部は2020年度から調査書が廃止されることから受験しやすくなり、そのため、やや志願者数が増える可能性はあるが、だからと言って学力の高い受験生がさらに増えることは考えにくく、入試難度は例年と変わらないと予想される。

<南山中女子部 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 200名 668名 659名 175名 203名 3.77倍
2018年 200名 658名 641名 177名 205名 3.62倍
2019年 200名 714名 690名 180名 205名 3.83倍

南山中女子部が他の中学校と異なる特徴として、各教科200点満点の均等配点が挙げられる。
1教科実力を出し切れなくても、他の3教科で挽回すれば逆転は十分に可能になる。
2019年度の入試では、算数の問題レベルが高かったせいか、算数の試験時間中に泣いている受験生がいたということだが、金城学院中の中にもある通り、その気持ちを引きずっていては、社会と理科のテストに集中することができない。
1教科、仮に失敗して半分の100点しか取れなかったとしても、2019年度入試の合格最低点は472点の59%、残りの3教科、約60%の126点ずつ得点すれば合格ラインに達することができる。南山中女子部は挽回可能な配点だということを忘れないことが必要だ。

<南山中女子部 合格者平均点>

  国語 算数 社会 理科 合計 ボーダー
配点 200点 200点 200点 200点 800点
2017年 121.6点 128.1点 140.0点 127.2点 516.8点 475点
2018年 129.4点 142.8点 134.9点 154.5点 561.6点 525点
2019年 125.7点 127.6点 118.1点 143.4点 514.8点 472点

合格者平均点を見ると、算数は一年おきに難度が上下しており、社会の平均点が下がり続けているのが注目される。算数、社会は難度が下がる可能性があり、社会は特に合格者平均点が6割を切っていることから、2017年・16年レベルに戻ることも考えられるため、ミスをしないように確実に得点する注意力が必要だ。
南山中女子部はこの地区の学力の高い受験生が集まるため、どうしても問題レベルが高くなる傾向がある。
といって全ての問題が難しいわけではない。
また過去、合格者平均点が低くなった翌年、問題が易しくなって合格者平均点が大きく上がった年があり、前年の問題レベルのつもりの受験生が、問題を難しく考えすぎてしまって失点してしまった、ということもあった。
そのため、問題レベルを素直にみる目を養い、基本標準問題は細心の注意を払って確実に得点して、おそらく大半の受験生ができないであろう問題はとばしても構わない、という姿勢を忘れないようにしたい。

愛知淑徳中学校

愛知淑徳中学校

南山中女子部の翌日は愛知淑徳中の入試となり、多くの受験生は連日受験となるため、体調管理を怠らないように、また南山中女子部の出来、不出来の結果を引きずらないように、「気持ちの切り替え」が重要だ。
南山中女子部の手ごたえがあったことから、浮かれた気持ちで翌日に臨む、逆に南山中女子部で実力が発揮できなかったため、落ち込んだ気持ちのまま入試会場に向かうことがないように、日頃からテストの出来不出来を引きずらないよう、保護者がリードすることを心がけたい。

<愛知淑徳中 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 280名 1045名 961名 540名 286名 1.78倍
2018年 280名 970名 909名 536名 287名 1.70倍
2019年 280名 1053名 978名 537名 285名 1.82倍

愛知淑徳中は明るく活発な校風と、女子校の中で制服人気が一番高く、2019年度はこの3年間で一番多い志願者、受験者数となっている。
入試データを見ると、昨年受験者が909名、合格者536名、2019年度は受験者が978名と昨年度より69名増加している。
しかし、合格者は536名→537名と1名しか増えていないため、1.82倍とこの3年間で一番高い実質倍率になっている。
2020年度は隔年現象でひと段落すると思われるが、1.8倍前後の実質倍率は変化はないと予想される。

<愛知淑徳中 合格者平均点>

  国語 算数 社会 理科 合計 ボーダー
配点 100点 100点 50点 50点 300点
2017年 73.1点 68.3点 37.8点 32.4点 211.5点 181点
2018年 68.2点 72.9点 35.4点 30.3点 206.7点 175点
2019年 69.5点 65.3点 33.3点 26.4点 194.5点 160点

算数は一年おきに問題レベルが上下しており、社会と理科は平均点が下がり傾向で、特に理科は2019年度の問題が難しかったため、来年度は合格者平均点が30点台にもどると予想される。
愛知淑徳中の場合、受験生が注意しなくてはいけないのは、名古屋女子大中と同様に、社会と理科の時間配分。
同時に2教科の問題が配付され、60分間に2教科を解く形式のため、どの教科を先にするのか、何分まで最初の教科に取り組んでから、次の教科に取り掛かるか、事前シミュレーションが必要だ。
試験中、気が付いたら残り10分、まだもう一つの教科は手つかず、ということは絶対に避けたい!

椙山女学園中学校

愛知淑徳中と同一日に行われる椙山女学園中。入試データを見るとこの3年間に、確実に入試難度が上がっている。

<椙山女学園中 入試データ>

  募集定員 志願者数 受験者数 合格者数 入学者数 実質倍率
2017年 160名 579名 366名 289名 212名 1.27倍
2018年 160名 519名 321名 250名 167名 1.28倍
2019年 120名 527名 299名 229名 170名 1.31倍

まず募集定員が2019年度、160名から120名に減少となった。
これは附属の小学校の定員が増えており、そこからの進学者が増えたことによるものだ。
志願者は2018年度と比較して増加したものの、受験者、合格者はともに減少、ただ実質倍率は女子校の中で唯一上がり続けている。
2018年度は募集定員160名に対して入学者が167名で、定員に近い入学者となったが、2019年度は募集定員120名に対して、入学者が170名、50名オーバの状況になっている。そのため、2020年度入試では当然、定員に近い入学者になるように合格者数を少なくすることから、椙山女学園中のレベルアップの可能性は高く、合格者最低点もここ3年間で、130点→137点→144点と上がり続けている。
ではどうするか。難問をたくさん解いて対策をしなければいけないかというと、そうではない。
ボーダーの点数付近は数点差で多くの受験生がひしめいており、漢字1・2問の差で何十人と順位が上がり、下がりする状況だ。
難問を解けるようにすることより、基本標準問題でケアレスミスをしない、試験時間が残り少なくなれば、難問に取り組むより、基本標準問題で見直をして、確実に得点する「得点力」を身に付けることだ。

<椙山女学園中 合格者平均点>

  国語 算数 社会 理科 合計 ボーダー
配点 100点 100点 50点 50点 300点 配点
2017年 73.4点 46.0点 29.2点 23.9点 172.5点 130点
2018年 63.5点 56.5点 30.9点 30.3点 181.2点 137点
2019年 57.7点 66.7点 30.4点 27.2点 182.0点 144点

各教科の点数を見ると、国語の平均が下がり続け、算数は上がり続けている。
社会と理科は多少の変動はあるが安定していることから、来年度は国語と算数についてレベルの変動が予想される。
特に算数は問題難度が上がる可能性があるので、問題レベルに惑わされずに、前半の基本標準問題は確実に得点できる対策が欠かせない。

   このエントリーをはてなブックマークに追加