盛り上がった中学入試、中学受験(愛知県)-大学入試改革の影響―


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盛り上がった中学入試(愛知県)-大学入試改革の影響―

シリーズ私立中講座

盛り上がった中学入試

増加傾向

今年の愛知県の中学入試は、志願者、受験者ともに昨年を上回り、私立中を希望する小学生がいっそう増えた年となった。下記の志願者、受験者推移をみると、特に女子校、共学校の増加ぶりが顕著だ。男子校の志願者は南山男子の1校のみの増加だが、女子校は6校中5校、共学校は9校中6校が志願者増となっている。

昨年より三桁の志願者増は三校あり、南山男子は新校舎だけでなく、好調な大学入試結果や自由な校風が評価され、名古屋女子大は前年比267.5%となり、教育内容の評価と入試日程の前倒しが要因となっている。愛工大名電は面倒見の良さや系列大学への進学だけでなく、毎年名古屋大学への合格者を出していることも志願者増につながった。

【志願推移】

  2018 2019 増減 %
男子校 海陽 923 893 -35 96.2%
東海 998 975 -23 97.7%
名古屋 1,395 1,395 0 100.0%
南山男子 648 748 100 115.4%
女子校 愛知淑徳 970 1053 83 108.6%
金城学院 812 820 8 101.0%
椙山 519 527 8 101.5%
聖霊 543 360 -183 66.3%
名古屋女子大 197 527 330 267.5%
南山女子 658 714 56 108.5%
共学校 愛知 1,347 1,378 31 102.3%
愛工大名電 711 831 120 116.9%
星城 209 163 -46 78.0%
大成 404 379 -25 93.8%
1,786 1,742 -44 97.5%
中部大春日丘 440 463 23 105.2%
市邨 121 199 78 164.5%
高蔵 60 128 68 213.3%
名古屋国際 153 186 33 121.6%
  合計 14,917 15,500 583 103.9%

【受験者推移】

  2018 2019 増減 %
男子校 海陽 878 841 -37 95.8%
東海 939 911 -28 97.0%
名古屋 1,374 1,361 -13 99.1%
南山男子 550 629 79 114.4%
女子校 愛知淑徳 909 978 69 107.6%
金城学院 791 801 10 101.3%
椙山 321 299 -22 93.1%
聖霊 535 346 -189 64.7%
名古屋女子大 184 516 332 280.4%
南山女子 641 690 49 107.6%
共学校 愛知 1,321 1,363 42 103.2%
愛工大名電 696 802 106 115.2%
星城 190 129 -61 67.9%
大成 371 359 -12 96.8%
1,692 1,638 -54 96.8%
中部大春日丘 414 433 19 104.6%
市邨 97 193 96 199.0%
高蔵 56 119 63 212.5%
名古屋国際 148 175 27 118.2%
  合計 14,125 14,602 477 103.4%

大学入試改革の先を行く

大学入試改革の先を行く

中学入試の志願者が全体的に増えた要因として、私立中独自の教育の評価が高まっていること、さらに大学入試改革も要因の一つとして挙げられる。2020年度から実施される共通テストは、国語と数学で出題される記述問題、複数答えがある問題の出題、平均点を下げる難化傾向の作問方針、英語の4技能と外部試験の導入など、大きく変わる。このような改革にいち早く対応できる、あるいはもうすでに対応した指導を実施している私立中は当然有利だ。

英語一つとっても中1から毎週ネイティブ教員による英会話の授業がある私立中は、英語の四技能の話す力が新たに問われることになっても、これまでの指導の実績があるだけに何ら心配がない。私立中に在籍している生徒はマスコミで英語の話す力が話題になっていることに違和感さえ覚えるだろう。
今年受験した小6生が大学入試をする2024年の大学入試はこの改革がさらに進むと言われている。

  • ・共通テストが複数回実施
  • ・英語の外部試験のいっそうの導入
  • ・記述式問題が地歴、公民、理科でも導入される

私立中の英語教育は大学入試改革の先を行く指導が既に長年にわたって行われており、英検などの外部の検定試験も積極的に受験している。また、中学入試では4教科ともに記述問題はもうすでに定番の出題になっており、ここ数年は大学入試改革を見越した問題も出題されている。
大学入試改革があるからではなく、これからの時代に必要な学力を考えた教育と入試問題の作成が、私立中への信頼度を高め志願者増をもたらしている。

定員厳格化の影響

定員厳格化の影響

また、2016年から始まった私立大の入学定員の厳格化により、私立大の入試難度は年々難化した結果、系列大学へ推薦入試で入学できる大学附属校の人気が全国的に高まった。愛知県でも系列大学へ進学できる南山男子、愛知淑徳、金城学院、名古屋女子大、南山女子、愛知、愛工大名電、中部大春日丘、名古屋経済大市邨、名古屋経済大高蔵、名古屋国際の志願者が増加している。椙山女学園は今年中学入試の募集定員を削減した影響で、志願者は増加したが受験者は減少している。今後、大学入試の定員厳格化がさらに進むことから、私立中へ進学して系列大学へという流れが今後も強まると予想されている。例として次の南山大学の志願者、合格者、在籍者のデータを見ると、合格者数の減少ぶりが著しく、定員厳格化による私立大の入試難度が上がっていることがわかる。

【南山大学 入試データ】

  ※主要な入試 合計
  志願者 合格者 志願者 合格者 在籍者
2016 25,773 9,448 26,424 10,065 2,364
2017 26,073 9,046 26,767 9,663 2,351
2018 25,316 7,007 26,065 7,667 2,191
2018-2016 -457 -2,441 -359 -2,388 -173

※一般入試、全学統一入試、センター利用入試を指す。

現在の小学生が大学入試を迎えるまでの期間、学校の教育内容や大学入試は大きく変わり、求められる学力も異なってくる。その指導をすでに行っている私立とこれから対応していく公立とでは大きな差が生まれてくる。
来年度以降も私立中志向は一層の盛り上がりが予想されるため、定番の問題で確実に得点できる力と、思考力を要する新傾向の問題にも対応できる学力が求められる。
次回は今年の傾向をさらに掘り下げていく。

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