中学受験の理科はどう勉強する?基本の勉強方法と点数アップのポイント


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中学受験の理科はどう勉強する?基本の勉強方法と点数アップのポイント

シリーズ私立中講座

中学受験の教科の1つである理科。ここでは、中学受験の理科で求められる力や具体的な勉強方法、出題傾向などをご紹介します。同時に、勉強する際の効果的な学習方法も解説します。

目次

中学受験の理科で求められる力・出題傾向

理科は、暗記力や読解力、計算力など、さまざまな力が求められる教科です。中学受験の理科では、以下のようなポイントが特に重視されます。

表やグラフを使った計算力・考察力

表やグラフを見て問題を計算できるか、実験結果を正しく読み取れるか、などの力を問われます。これらの問題を解くためには、基礎知識や専門用語を暗記するだけでは不十分です。実験結果を見て、「なぜこうなるのか」、「どのような仕組みになっているのか」を自分なりに思考する癖を身につけることが、重要になります。また、こうした実験問題では、問題文や実験条件を素早く読み取ったうえで、設問を解いていくという作業が必要です。したがって、問題の速読力や集中力も求められるといえます。

表や文章問題を読み取る読解力

表や文章問題を正確に読み取る力も重要です。読解力が欠けていると、「問題文ではどんなことを問われているのか」、「提示されている実験の条件と実験結果からどのようなことがいえるのか」といった考察をすることが、難しくなります。その結果、正答率が下がってしまい、得点を落としてしまうのです。
「理科=理系科目」というイメージから計算力を重視してしまいがちですが、設問やグラフ、データを的確に読み取れる読解力も同時に磨くことを忘れないようにしましょう。

専門用語や基礎知識をきちんと理解する暗記力

十分な計算力や読解力があっても、単元ごとの基礎知識や専門用語の知識がなければ問題を解けません。基礎知識をきちんと理解して覚え、自分の言葉で説明できる「暗記力」や「理解力」も重要なのです。そもそも基礎知識が頭に入っていなければ、設問の意味やグラフなどが読み取れません。また、知識に対する理解力が足りなければ、自分の言葉で説明する必要がある記述問題で、苦戦を強いられてしまいます。

理科に苦手意識を持ってしまう子の特徴

「暗記が苦手で知識を上手くインプットできない」、「特定の単元でつまずいてしまった」など、理科に対して苦手意識を持ってしまう要因はさまざまです。以下では、特に大きな要因を、いくつか解説いたします。

基礎知識や用語を上手く覚えられない

暗記が苦手で、単元ごとの専門用語や基礎知識を十分に覚えられていないケースです。この場合は、基礎を固めることが効果的。
「理科の勉強時間を増やす」、「学校の授業で習ったことをしっかり復習する」などの対策を実践して、基礎知識を身につけましょう。

用語の理解が十分でない

理科の各単元では、さまざまな専門用語を自分なりに理解する必要があります。「何となく用語を暗記している」という状態では、十分な得点は取れません。

例えば、「日光によって炭水化物を生成する働きを持つ、植物の細胞のなかにある色素は何か」と問われて、「葉緑素」と解答できても、「葉緑素とは何かを説明しなさい」という問いに上手く答えられなかったとしたら、用語の理解が不十分だといえます。暗記するだけでなく、「〇〇だから○○になる」や「この働きを持つから、このようなことがいえる」などの理解を自分なりに深めておくことが大切です。

1つの単元に対して強い苦手意識を持ってしまっている

化学や生物、地学など、理科にはさまざまな単元があります。「生物は得意ではないけど化学は好き」、「地学は苦手だけど生物は得意」など、人によって得手不得手が別れます。得意な単元があるにも関わらず、特定の単元に対する苦手意識を強く持ってしまい、実力を発揮できていないケースもあるのです。この場合は、学校と家庭、学習塾などで苦手な単元に対する向き合い方、効果的な学習方法を相談し合うことが重要です。同時に、得意な単元はそのまま伸ばすことも、忘れないようにしましょう。

また、親や学校・塾の先生が気になるから、といって子どもに苦手な単元があることを責めることは逆効果です。子どもを責めることは、子どもがさらに強い苦手意識を持ってしまう可能性を生むことになります。

問題の形式自体に慣れていない

「学校のテストでは良い点数が取れるのに、過去問・模試で思ったようには点数が取れない」というケースです。この場合は、過去問や模試の出題形式に慣れていないことが考えられます。学校のテストと過去問・模試の形式は大きく異なるため、戸惑いや緊張から思うようには実力が発揮できないのです。よって、過去問・模試を多くこなして、本番に近い形式に慣れる必要があります。何度も問題を読んで解くうちに、出題形式や出題内容の類似点などに気づくことができます。そうなれば、本番でも慌てずに実力を発揮できるようになるでしょう。

中学受験に向けた理科の勉強方法

基礎問題から文章問題、本番に向けた仕上げまで、中学受験に向けた理科の勉強方法を紹介します。

最初は基礎知識・専門用語を学ぶ

最初は、専門用語とその基礎知識の暗記から始めましょう。これらの知識がないと、そもそも問題文や解説文を見ても理解できません。理科的な思考力を養うことも大切ですが、その思考力は専門用語の知識があってこそ身につくものです。単語カードや単語帳などを活用して、専門知識を増やしていきましょう。単語と簡単な説明をある程度インプットできたら、今度は自分なりの言葉で、用語や事象の説明をするトレーニングを行います。その後、実際に多くの問題を解いて、「覚えたことを思い出す」訓練をすることも大切です。

基礎地盤を固めたら文章問題へ

基礎的な専門用語の知識が身についたら、文章問題を解いていきます。せっかく用語を暗記しても、問題を解く段階で思い出せなかったり、問われていることとの関連性を見いだせなかったりしては、得点につなげられません。文章問題をきちんと読み、そのうえで専門知識と上手く結びつけられるか否かが重要なのです。

また実際の文章問題を解くことで、「なぜこうなるのか」、「こうなる理由にはどんなことが考えられるか」という思考力を高めることもできます。わからない用語や説明に詰まった用語があったら、もう一度暗記をやり直しましょう。
「暗記・理解→文章問題による演習」という勉強方法を繰り返して理解を深め、実践的な問題の解き方も身につけていきます。

模試・過去問で問題の形式に慣れる

文章問題を多くこなすことで用語同士の関連性が見えるようになり、問題の点と点を結びやすくなります。その後は、仕上げとして模試や過去問を使った勉強へ移りましょう。これらの教材を活用することで、本番に近い形式の問題に慣れることができます。また、わからないところや理解が曖昧なところなどを改めて発見することにもつながります。

分野別の勉強のコツ

理科には「化学」、「生物」、「物理」、「地学」という4つの分野があります。以下で、分野別の特徴と有効な勉強方法を紹介します。

化学

化学の単元では、暗記問題と計算問題の両方が出題されます。用語を暗記するだけでなく、割合や比の計算式を使った問題も、解けるようにしておきましょう。計算問題を解く場合は、途中式をきちんと書くことも大事です。複雑な問題では、一度の計算で答えを求めることは難しいものです。途中式をきちんと書くことで、「本当に自分の考え方が合っているか」、「どこかで計算を間違えていないか」という振り返りができます。

くわえて化学の分野では、実験の正しい手順や実験器具の名前などを答える問題も、よく出題されます。これらの問題にも対応できるよう、範囲内の実験手順や実験器具の名称をしっかり覚えておきましょう。

生物

生物は覚えるべき知識が多く、暗記力・理解力が問われる分野です。専門用語の暗記を中心に、勉強を進めていきます。単語カードや一問一答式のテキストを活用すると、空き時間でも効率良く勉強できます。また、植物・動物の身体の図や写真を見ながら勉強することも大切です。こうすることで生物の体の構造がイメージしやすくなり、専門知識の理解が深まります。くわえて、細胞や体の器官にはそれぞれ役割があります。「この器官はどのようなときに役立つものか」や「どのような役割を持っているのか」という点を考えながら勉強すると、知識として定着させやすくなります。

物理

物理は生物や化学などと比べると、覚えることは多くありません。暗記力よりも、思考力や理解力が問われる分野です。よって、演習を多くこなして計算力をトレーニングするのがおすすめの勉強方法です。同時に、「なぜこの式になるのか」、「なぜこのようなことが起こるのか」という説明ができる思考力を鍛えておきましょう。

地学

地学は、地層や天体などに関する知識が問われる分野です。暗記問題・知識問題が多い傾向にあるため、基礎固めはしっかりと行います。また、天体の単元では方角や気象に関する知識、星座の観測時刻などを計算する問題が出題されることもあります。よって、天体の分野では計算力も求められます。過去問や問題集で出題傾向を把握したうえで、暗記力と計算力の両方をバランス良く養います。

NGな勉強方法

知識が足りないまま、がむしゃらに勉強をしていたり、非効率的な勉強をしていたりする子もいるのではないでしょうか。ついやってしまいがちな効率が悪い勉強方法を、以下でまとめました。

基礎ができていない状態でやみくもに勉強している

前述したとおり、理科では専門用語の知識があってはじめて基礎・応用問題が解けるようになっています。知識問題であっても、計算問題であっても、基礎知識がなければ思うようには解けません。したがって、基本的な用語暗記をおろそかにしたまま演習に臨んだり、練習問題の数をがむしゃらにこなしたりするのは非効率です。

まずは、どの程度の用語暗記ができていないのか、どの程度の単語を覚えれば良いのかを整理したうえで、暗記の時間を確保しましょう。用語知識が頭に入ることで、「問題文ではこういうことが問われている」、「こういう解答が求められている」という文脈も読み取れるようになります。

「暗記だけ」または「計算だけ」に絞った勉強方法

理科には、分野別に「知識問題が多い」、「計算問題が多い」というような傾向があります。とはいえ、「暗記だけ」または「計算だけ」を強化する極端な勉強方法では、なかなか得点が取れません。理科の試験では、どの分野であっても知識と計算力の両方が求められる、と捉えましょう。そのうえで、どちらがより得意・不得意なのかを把握して勉強を進めます。計算力に自信がないのであれば、「計算式を暗記する」、「学校や塾などで質問して実際の解き方を見てもらう」などの工夫をして、勉強しましょう。

暗記が苦手なのであれば、暗記のための時間をできる限り多く作ることが大切です。空き時間に単語カードを見て書き取りをしたり、人に協力してもらって一問一答に挑戦したりするのがおすすめです。また、単語とその意味を繰り返し音読することや、人に説明する機会を設けることも効果的です。

苦手分野を把握せずがむしゃらに勉強している

「自分はどの分野・単元が苦手なのか」を把握せずにいると、効率良く勉強できません。化学・生物・物理・地学のどれを最も苦手としているのかを明確にし、対策を練ります。

例えば、計算問題が多い物理の分野が苦手なのであれば、用語と計算式(公式)の暗記をやり直す必要があります。中学受験の理科における計算問題は、高度で複雑なものはほとんど出題されません。基本の用語知識と計算式を使って練習問題をこなすうちに、正しい解法や出題パターンがわかってきます。

このように、苦手分野とその対策を練ることは、受験勉強において非常に重要です。しかし、独学で苦手分野を克服するのは難しいものです。家庭での学習にくわえ、学習塾での基礎固めと復習をしっかり行うことが中学受験の理科を攻略するカギとなります。

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