広がる学校選択Ⅱ 鶯谷中の紹介


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広がる学校選択Ⅱ 鶯谷中の紹介

シリーズ私立中講座

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鶯谷中の紹介

10倍、22%

名古屋市、愛知県から三重・岐阜県の私立中を選択する家庭が増えていることとして、前回は三重県の津市にある高田中を紹介した。
今回は岐阜市にある鶯谷中を取り上げよう。
鶯谷は1903年に女子校として創立され、その後共学となり、平成8年に中高一貫校が開設された共学校で、金華山のふもとにある自然豊かな緑に囲まれた学校だ。
鶯谷中はこの10年間で愛知県からの志願者が約10倍となり、現在愛知県在住の入学者は全体の約22%を占めるにいたっている。この3年間の志願者の推移を見ても人気が高まっている学校であることがわかる。

  H28 H29 H30
志願者 247名 293名 331名
受験者 245名 291名 329名

鶯谷中は岐阜市のJR岐阜駅、名鉄岐阜駅からバスでも通学できるが、徒歩約20分程度のため徒歩で通学している生徒も多く、名古屋駅からは約40分程度で学校に着くことができる。通学しやすことだけでなく、愛知県からの志願者・入学者が増えている理由として次の点が挙げられる。

少人数で丁寧な指導

募集定員は120名、1クラス30名が基本となっており、現在1クラスの生徒数は下記の人数になっている。高2・3からは大学受験に備えてクラスが細分化されるが、それも生徒のためと、あえて実施している。

  • ・中1:26名  中2:23名  中3:34名
  • ・高1:28~38名(中高一貫コースと高校から入学してくるⅠ・Ⅱ類に分かれる)
  • ・高2:16~34名(それぞれ文系、理系に分かれる)
  • ・高3:23~33名(志望校別のクラス。中高一貫コースと高校から入学する生徒が合流)

中高一貫コースの生徒は高1から学力別クラスとなるが、中学校では英語は中1、数学は中2ですでに学力別クラスになっている。中1から英語が学力別クラスになっているのは、中学入試でグローバル入試を実施し、高い英語力をもった入学生に対応するためだ。
授業は週3日が7時限授業で、土曜日も第4土曜日以外は通常の授業があり、週36時限(公立の1.6倍)の授業が行われ、授業時間数の多いことが注目される。平日や土曜日の授業後の補習も充実して、特に英語検定試験や大学試に向けた小論文講座は生徒の人気が高い。

下位の生徒を伸ばす

下位の生徒を伸ばす

このような指導を受けた生徒がどこの大学に合格するか、一般には○○大学、何名合格という数字の出され方をする中、鶯谷では中学入試で下位10名の生徒がどこの大学に合格しているかも公表している。
中学入試でぎりぎりの成績で入学した生徒が、難関大学に合格していくのであれば、それは本人の努力と学校の指導、さらに共に頑張る仲間の存在も大きく、そのトータルの教育環境の成果と言える。
下位10名の主な合格大学は次のようになっている。毎年難関国公立、私立大に合格しており、中には最下位入学で国立大に合格している生徒もおり、生徒のやる気を引き出す学校とも言える。
<平成28年>
三重大、愛知医科大、日本大、関西大など
<平成29年>
富山大、慶應義塾大、同志社大、立命館大、南山大など
<平成30年>
岐阜大(医)、南山大、同志社大など

<平成30年度 主な大学合格実績>

また、今年の主な大学合格実績は下記のようになっている(高校からの入学者も含む)。

名古屋大(医保、文他) 3 北海道大(歯) 1
筑波大(情報) 岐阜大(医医2、教育他) 13
名古屋工業大(工) 1 静岡大(理)
三重大(生物資源) 1 滋賀大(経済) 1
富山大(理2、工) 3 金沢大(人間社会3他) 4
名古屋市大(医医) 岐阜薬科大(薬)
慶應義塾大(商、理工、薬) 3 早稲田大(政経他) 4
東京理科 4 明治大 6
中央大 6 同志社大 14
立命館大 18 関西学院大 7
南山大 38  

指定校推薦として早稲田大、東京理科大、明治大、中央大、同志社大、立命館大、南山大、愛知学院大(歯)、名城大(薬)などがあるが、「中高一貫コースの生徒は学力試験入試による現役合格を目指します」と学校案内に明記されているのは頼もしい!

多彩な経験・施設

多彩な経験・施設

このような内容を見ると勉強ばかりしている学校と思ってしまうが、学校生活を楽しめるように多彩なプログラムが用意されている。特に次の点が他の学校には見られない点だ。

<学生会館>

鶯谷中は岐阜市の金崋山中腹に学生会館を持っており、そこで毎年新入生の宿泊研修がある。生徒たちが自ら食事を作り、集団生活の絆を深めている。
学生会館からは岐阜市を展望することができ、学校から徒歩で行けるところにこのような施設があるのは珍しい。
生徒の絆を深め、生徒全員で学校生活を頑張ろうという意識も高くなる。平成31年度にはこの学生会館に天体ドームが設置され、星の観察もできるようになり、いっそう充実した施設となる。

<グローバル教育の流れ>

机上の学習だけでなく、実体験ができる6年間の英語学習の流れが確立されており、確実に幅広い英語力が身につく内容となっている。ここまで明確になっている学校は少ない。
・中1:アメリカ生活体験学習(初級)。アメリカの街を模した施設、大阪イングリッシュヴィレッジでアメリカの生活体験(全員)。
・中2:イギリス生活体験研修旅行:16世紀のイギリスの村を再現した福島県にあるブリティッシュ・ヒルズでイギリスの生活体験(全員)。
・中3:アメリカ生活体験学習(上級)。大阪のイングリッシュビレッジで1年時からの伸びを確認。(全員)。
・中3:イギリス研修。イギリスのイングランドで英語を母国語としない各国の同世代の若者と交流(英検3級以上の希望者)。
・高1・2:アメリカ研修。アメリカのクレモントカレッジで大学生を相手にプレゼンテーションの能力を鍛える(英検準2級以上を取得した高1・2の希望者)。

中学入試でも次の二つの入試が用意されている。
・一般受験:4教科の筆記試験
・グローバル受験:国語と算数の筆記試験に英語検定資格を点数化した合計点で判定。英検換算点は、1級が100点、準1級95点、2級85点、準2級75点、3級65点、4級55点となっている。平成30年度入試ではこのグローバル受験で17名受験して、全員合格している。

<施設・部活>

校舎を見学すると教室も職員室も全面ガラス張りでオープンな雰囲気がある。職員室は総合学習センターを呼ばれ、生徒が質問しやすい雰囲気となっており、また授業後も学習できるように校内3か所、午後7時まで利用できる個別ブース型自習室がある。
「3か所」、「午後7時まで」は大変めずらしい!

今年度リニューアルした図書館も生徒には人気だ。

来年度からの入学生全員にiPad、全教室電子黒板の授業となり、授業内容も進化していく。
鶯谷中の紹介
部活ではフェンシング部、ビームシューティング部(レーサーと使った射撃)などめずらしい部活もあり、今年はソフトテニス部がインターハイ3位、棋道部は全国大会2位の成績を収めている。人工芝の全天候型のグラウンドがあるのも、鶯谷が勉強だけでない学校であることを物語っている。
緑の山に囲まれた校舎、勉強や部活に専念できる学習環境、今後も愛知県からの入学者が増え続けていくだろう。

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