大学入学共通テスト「英語」における問題別の対策方法や時間配分をご紹介


中部地方の教育・受験情報なら中部教育ラボ

大学入学共通テスト「英語」における問題別の対策方法や時間配分をご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 21 分 です。

大学入学共通テスト「英語」における問題別の対策方法や時間配分をご紹介

これまで30年にわたって実施されてきたセンター試験が終了し、2021年から始まった大学入学共通テスト(以下、本文では共通テスト)。まだ過去問が少ないため、どんな問題が出るのか、どのような対策が必要になるか、わからずに不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「英語」に焦点を当て、大学入学共通テストとセンター試験の違いや、これまでの問題内容がどのように変わったか、リーディングやリスニング試験に必要な対策をご紹介します。英語は一朝一夕に身につくものではありません。大学受験まで時間があるからと後回しにせず、早めに対策をはじめましょう。

目次

大学入学共通テスト「英語」の概要

大学入学共通テスト「英語」の概要

共通テストは正式名称:大学入学共通テストの略称です。従来のセンター試験が令和2年度をもって廃止され、2021年より共通テストが導入されました。ここではその中の、「英語」の試験概要をご説明します。

共通テスト「英語」の試験概要

共通テストの解答方法は、センター試験と同様に全問マーク式となっています。

・点数配分

配分は「リーディング100点、リスニング100点」の200点満点です。
従来のセンター試験の点数配分は「筆記200点、リスニング50点」の250点満点だったので、リスニングの比重が大きくなったことがわかります。
ただし、得点配分をどのように扱うかは大学によって異なるため、ご自身が受験する大学の傾斜配点を事前に確認しておきましょう。

・試験時間

共通テストの試験時間はリーディングが80分、リスニングが60分となっています。リスニングはICプレーヤーの配布や操作・音声の調整等の時間も含むため、音声を聞きながら30分間で回答をします。

以上が共通テストの試験概要です。
次に、大学受験の試験として、共通テストが導入されることになった背景をご紹介します。

共通テストは暗記力から思考力が問われる試験へ

さまざまなモノ・サービスのIT化やグローバル化、また少子高齢化の加速などにより、現在の高校生が社会に出る頃には、世の中は大きく変わっているでしょう。変化の多い社会を生き抜いていくためには、自ら問題や課題を発見し、解決する能力を身に付けなければなりません。
これらを踏まえ、大学入試においてもこれまでの試験で求められた暗記力だけでなく、思考力や判断力を測るという方針が加わり、共通テストが導入されることになりました。

共通テストの英語はセンター試験から大きく変化

入試の方式がセンター試験から共通テストへと変わる中で、特に英語においては大きな変化が見られました。

もともと、共通テストには英検やTOEICなどの民間試験の活用が検討されていました。これは、従来のセンター試験で測られてきた英語を「読む」「聴く」技能に加えて、「話す」「書く」技能を含む英語の4技能を評価するためです。

しかし、「話す」技能が測られる民間試験においては、採点基準が統一されていない点や、別途かかる受験料が受験生の負担になってしまう点が指摘されました。さらに、記述式の解答を「書く」問題は、採点の公平性を担保できないことから、実施は難しいと判断されました。

これらの事情から、共通テストは従来のセンター試験と同様に「読む」「聴く」技能を測る試験内容に絞られたものの、よりレベルが高く実践的な設問で実施されることとなり、現在の共通テストに行きつきました。

それでは、共通テストはセンター試験と比べてどのように変わったのか、次項で詳しく見ていきましょう。

共通テスト「英語」の問題内容の変化と必要な能力

共通テスト「英語」の問題内容の変化と必要な能力

まず、すぐに分かる変化としては、従来のセンター試験における「筆記」は、共通テストでは「リーディング」という名称に変わっています。
その他の変更点は以下の通りです。

全体を通しての変化

・共通テスト「英語」では出てくる単語数が大幅に増加

センター試験の総単語数は約4,200語でしたが、2021年に行われた共通テストの単語数は約5,500語、全体で約1,200語以上増えました。従来よりも1.3倍に増加しているため、語彙力が鍵を握っていると言えるでしょう。

・設問文が日本語から英語に

センター試験の設問は日本語で書かれていましたが、共通テストでは設問もすべて英語になりました。ただし、設問の英文自体は難しくないので、試験に対応できる学習を行っていれば十分読み取ることができます。

・共通テスト「英語」のリーディング問題の変化

次にリーディングの問題にはどのような変化があるのか見ていきましょう。

・「英文を読む」ことがメインに

リーディングという名称に変わっただけあって、すべての問題が読解問題になりました。センター試験で出題されていた発音・アクセントや語句の並び替えなどの文法問題はなくなっています。

・図や表から情報を読み取る問題が増加

2021年の共通テストでは、ファンクラブのオプション表や大会の点数を示す表などが提示され、英文の読み取りに加えて、与えられた資料から情報を読み取る問題が多く出題されました。文章だけでなく、図や表から読み取る力も求められるようになってきています。

・日常的なテーマからの出題も増加

ルームメイトとのメールのやり取りや旅行サイトのウェブサイト画面など、日常生活で遭遇するような場面の問題が増えています。
より英語を使ったコミュニケーションを想定した設問が増えたと言えるでしょう。

共通テスト「英語」のリスニング問題の変化

・「聞く」と「見る」を同時に行う力が求められる問題が増加

リーディング問題だけでなく、リスニング問題においても、図表から情報を読み取る問題が増加しました。
英語を聞き取り、すぐに日本語に訳して解答する必要があるため、英文を聞くと同時に資料を見ながら問題を解く力が求められます。

・1回だけしか読まれない英文も

センター試験ではすべての英文が2回読み上げられていましたが、共通テストのリスニング問題では第1〜2問は2回、第3~6問は1回のみの読み上げへと変更されました。
リーディングと同様に資料から情報を読み取る問題もあるため、1回しか読み上げられない英語を聞き取り、その情報を正しく処理し設問に答える能力が必要です。

・よりリアルな英文が読み上げられる

センター試験ではアメリカ英語のみでしたが、共通テストでは英語を母国語としない人たちが発音する英文も読み上げられるようになりました。例えば令和3年度の問題では、イギリス英語や非ネイティブ話者の英語も読み上げられました。
加えて、読み上げるスピードもネイティブが話す際の速さに近くなったため、普段から英語を聞いていないと難しく感じるでしょう。

共通テストの英語で求められる能力とは?

リーディング・リスニングともに、センター試験から大きく変わったことがおわかりいただけたでしょうか。
ここからは共通テストの問題を解く上で求められる能力についてご紹介します。

・リーディングで求められる能力

共通テストのリーディング問題はとにかくボリュームがあります。そのため、時間内に文章を読み取る速読力と、読み取った英語を理解する読解力が必要です。
加えて、資料から読み取った情報を素早く整理する能力も求められます。
英語の問題文や資料から読み取った情報を元にスピーディーに回答をするためには、理解できる英単語の量も影響します。

・リスニングで求められる能力

共通テストのリスニングにおいて最も重要なのは、まずは英語を正確に聞き取る能力です。
次に、資料から得た情報を整理する能力、そのデータから回答を類推する能力が必要になります。
また、読み上げられるのはアメリカ英語だけではないため、さまざまな発音の英語を聞き取る能力も求められます。

共通テスト「英語」のリーディングの対策

共通テスト「英語」のリーディングの対策

求められる能力がわかったところで、ここからは共通テストに必要な対策について解説します。まずはリーディング対策から見ていきましょう。

語彙力を高める

リーディング対策として、まず取り組まなければならないのは語彙力の強化です。
センター試験に比べて大幅に増えた単語を時間内に読みこなすには、まずは「読んでいる途中でわからない単語が出てきて思考が止まる」という状況をなくすことが大切です。

前述の通り、2021年に行われた共通テストに登場した単語数は約5,500語です。語彙力が高ければ高いほど、長文問題をスムーズに解けるでしょう。

語彙力を強化するコツは「繰り返し」と「音読」です。単語は1回読んで書いただけでは覚えられないため、何度も繰り返しましょう。
また、単語は発音と一緒に覚えるほうが定着しやすいため、単語を声に出して読んだり、CDやアプリを活用したりして、発音と併せて単語の意味を覚えましょう。

文法の知識を固める

文法は英文読解の土台といえます。
共通テストの英語では文法のみが独立した問題は出題されませんが、文法を理解していなければ長文を読解できないので、語彙力を高めつつ文法の知識も固めていきましょう。

英語の文法を学習する際のポイントは、ご自身のレベルに合った参考書や問題集を選び、その1冊を繰り返し解くことです。

はじめから難易度の高い参考書や問題集にチャレンジすると、その事実に満足してしまい、英語力が身に付かないまま終わってしまう可能性があります。また同時に複数の問題集に取り組むと、できる問題ばかり解いてできない問題をそのままにしてしまう可能性があるため、1冊の問題集を完璧に理解するまで繰り返し解くようにしましょう。

読解力を高める

共通テストのリーディング問題は長文読解が大半を占めるため、点数を取るためには読解力を高める必要があります。
読解力とは「文章を理解する力」のこと。読解力を高めるためには「構文」を理解しなければなりません。

構文とは文章を作るための型のことです。単語や文法をこの型に当てはめることで、はじめて意味の通る文章になります。文章作成だけでなく、リーディングにも当てはまります。構文を学べば英文における単語や文法の働きを理解できるので、文章を正しく読み取ることができるようになります。

「単語と文法はしっかり覚えたはずなのに、長文問題が解けない」という人は構文の知識が不足している可能性が高いので、文法と同じように1冊の参考書や問題集を繰り返し解きましょう。

センター試験の過去問を活用する

共通テストでは、時間内に多くの英文を読む力が求められます。また、問題を解くスピードも必要になるため、長文問題をたくさん解いて、量とスピードに慣れることが大切です。

その際に役立つのが、センター試験の英語の過去問です。センター試験の問題4~6の長文は、文章のレベルおよびボリュームの観点からバランスがよいといえます。過去問の量も多いので、共通テスト対策としてセンター試験の過去問を解くのは有効でしょう。

センター試験の英語の過去問を活用して多くの長文問題を解くことで、英文全体の内容を理解する力や、正解を導く力を高められます。

共通テスト「英語」のリスニングの対策

共通テスト「英語」のリスニングの対策

次は、リスニング対策について見ていきましょう。

リスニング対策はリーディング対策の延長と考える

リスニング問題が解けない方の多くは、「英語が聞き取れない」という問題の前に「英文が読めない」という問題を抱えているケースがあります。
「リスニングの勉強になるから」といって闇雲に英語を聞いても、知らない単語や文法があればいつまでも聞き取れるようにはなりません。

そのため、単語力・文法理解が必須である事を考えると、リスニングの対策はリーディングの延長線上にあると言えます。そのため、リスニングの対策においても、まずは読解力を高めることが大切です。前述のリーディングの対策を徹底し、英語をしっかり理解した上でリスニングの対策をしましょう。

共通テストのリスニング問題で出題される、資料から情報を読み取るタイプの問題は、リーディング問題においても出題されます。リーディングで理解力を鍛えてから取り組むことで、効率よくリスニング対策を行えるでしょう。

実際に英語を聞いて耳を慣らす

リーディングの対策が進んだら、次は実際に英語を聞いて耳を慣らしましょう。リスニング問題で確実に点を取るには、英文が読み上げられている最中にキーワードを聞き逃さないことが大切です。キーワードをしっかり聞き取るためには、アクセントの位置や英語特有の発音に慣れる必要があります。

共通テストのリスニング問題には1回しか読み上げられない問題もあり、会話のスピードも速い問題が多く見られました。更にアメリカ英語以外の発音で読み上げられることもあります。毎日さまざまな英語を聞き、耳が英語を聞き慣れている状態を作りましょう。

意味がわかる英文を音読する

リスニングには、「聞いた英語を即時に理解する力」が欠かせません。この力をつけるために有効なのが、「シャドーイング」です。シャドーイングとは、聞こえた英語を追いかけるように読み上げる方法のことで、「話す」と「訳す」を同時に行います。
意味がわかる英文をシャドーイングすると、耳から聞いた英語を即時に理解するための練習になります。また繰り返して行うことで、初見の英文でも頭に日本語が浮かぶようになっていくでしょう。また、耳で聞き、声に出すことでリスニング力の強化にも繋がります。

共通テスト「英語」の時間配分はどうしたらいい?

共通テスト「英語」の時間配分はどうしたらいい?

共通テストのリーディング問題は量が多いため、問題ごとの時間配分をある程度決めておかないと、本番で時間が足りなくなってしまうことがあります。
日頃から練習問題を解く際は時間を計り、時間配分を意識しながら学習を進めましょう。

知っておきたいおすすめの時間配分

英語の共通テストは、後半の問題になるにつれて1問の配点が大きくなります。そのため、後半の問題に時間をかけてしっかり得点することが大切です。

開始から30~35分以内に第3問までを解き終えるのが理想です。可能であれば、第4問以降を解くために50分程度は確保できるような時間配分を設定しましょう。

時間を短縮するには?

共通テストの英語では、英語力はもちろん時間との勝負であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは問題を解く時間を短縮するために必要なポイントを3つ紹介します。

・速読力を身に付ける

共通テストの英語は、「いかに速く読めるか」が重要です。
ただし、いきなり速読しようと意気込むのではなく、速読の練習を始める前に、ゆっくり読み確実に意味を読み取れる「精読力」を身に付ける必要があります。共通テストのリーディング問題を練習するときは、単語→文法→構文→精読→速読という順番で学習を進めましょう。

・設問や選択肢を先に読む

時間を短縮するためには、問題ごとに「何を問われているのか」を先に理解することが大切です。設問を読まずに先に本文を読んでしまうと、「大事なところを見落としていた」「関係のないところを読み込んでいた」など時間を無駄にしてしまう場合があります。
センター試験の過去問や長文読解の問題集などを使って、設問文を読んでから本文を読んで問題を解く練習をしておきましょう。

・わからない問題はスキップする

英語に限らず言えることですが、共通テストは時間との戦いです。わからない問題で考え込んで配分以上に時間を使ってしまい、残る問題を解く時間がなくなってしまうのはもったいないことです。共通テスト1問の配点は平均2~3点なので、わからない問題は考え込むよりも潔くスキップして次の問題に進みましょう。

まとめ

共通テストでは、実践的な英語力が問われます。
具体的には、英文を速く正確に読む読解力や、図表やデータを読み解く情報処理能力、そして英語を正確に聞き取るリスニング力が求められます。一時的に覚えるだけの暗記やテクニックではなく、早い段階から本質的な英語力を高めていく必要があるといえるでしょう。
英語は一朝一夕に身に付けるのは難しく、他の科目と比較をしても、長い期間をかけて鍛える必要がある科目です。目下の中学受験・高校受験はもちろん、その先の大学受験も見越して、早めに対策をはじめましょう。

名進研は、中学・高校受験の専門予備校です。中学・高校受験コースでは、受験教育のエキスパートである講師陣が授業を担当し、ポイントを押さえた指導でお子さまの学力を最大限に伸ばします。なお、能力を飛躍的に向上させて上位校を目指す際は、通常の授業に合わせて能力開発コースの「速読・読解力講座」もお試しください。右脳を鍛えるトレーニングで、脳の潜在能力アップが期待できます。中学受験は、首都圏の有名中学に圧倒的な合格実績を誇る進学塾SAPIXのカリキュラムで、高校受験では、名進研が培った中部地域の難関校突破のためのノウハウを用いて指導を行い、名進研受講生全員の難関校合格を目指します。

名進研の中学受験・高校受験コース、およびその他能力開発コースを有効活用していただき、お子さまの将来の可能性を広げてください。お問い合わせ・資料請求は、メール・電話で受付中です。ご連絡お待ちしております。

   このエントリーをはてなブックマークに追加