これで英語も問題なし!高校受験の英語の攻略法
シリーズ私立中講座
英語は、高校受験や大学受験などで重要になってくる試験科目です。英語では単語にはじまり、英文法やリスニング、英作文などの分野をバランスよく学習しなくてはなりません。ここでは高校受験に向けた英語の勉強方法と、苦手な単元・分野を克服するためのポイントを解説します。
- 目次
高校受験における英語の出題内容
高校受験の英語は、「英文法」、「単語(語彙)」、「リスニング」、「英作文」、「長文読解」の5つから問題が構成されています。確実に点数を取るためには、これら5つの分野をバランスよく学習して、しっかりインプット・アウトプットすることが大切です。
英文法
英語には、日本語と同じく主語や述語といった文法があります。英文法を学ぶ目的は、どのような規則性・ルールで英文が構成されているのかを知ることにあります。英文法は、英作文や長文読解の問題を解くのに欠かせない知識です。基礎を押さえておかないと英作文・長文読解の点数まで下がってしまう可能性があります。特に動詞の変化やto不定詞(to~を使ってこれから起こる未来の動作を表す文法)、名詞を修飾する関係代名詞の分野は、出題頻度が高い傾向にあります。これら3つの文法の基本は、最低限押さえておくようにしましょう。
単語(語彙)
英単語(連語・慣用表現)の意味とスペル、基本の発音を学習することも大切です。文部科学省の「学習指導要領」によると、中学校3年間で覚えるべき英単語数は1,600~1,800語程度とされています。覚えるべき単語数が非常に多いため、単語学習はできる限りたくさんの単語を、早く正確に覚えることが必要となります。
リスニング
単語や英文法をある程度学習したら、リスニング力も磨く必要があります。リスニング問題は、「英語を聞き取る」と「聞き取った英語の意味を理解する」という2つの力が求められる分野です。ただし、これら2つを一気に習得するのは難しく、あまり現実的ではありません。特に、リスニングでつまずきやすい人は、2つの要素を無理に詰め込んで学習しようとする傾向があります。まずは、英語を聞き取る力をトレーニングして、その後、意味を正確に理解する読解力を身につけます。
英作文
高校受験における英作文には、いくつかのパターンがあります。少し前までは、日本語のテキストを英訳するというケースが多く見られました。しかし最近では、テーマに沿って意見を述べたり、テーマについて紹介する英作文を書いたりする「自由英作文」が、よく出題されています。英作文で点数を取るためには、英単語と英文法の知識をできる限り多く身につけておくことが大切です。
最終的には、中1~中2レベルの単語と文法を駆使して、英作文を書けるようになるのがベストです。最初のうちは、簡単な単語や短い文章でかまいませんので、英作文を書く作業に慣れることが大事だといえます。徐々に単語と文法の引き出しを増やして、英作文の表現力を磨いていくのが良いです。また、書いた英作文を学校や学習塾の先生に添削してもらうことも忘れないようにしましょう。
長文読解
長文読解の問題では、長文の内容を正しく把握し、適切な解答を選ぶスキルが求められます。そのためには、熟語や慣用句を含めた語彙力と、基礎的な文法の知識が必要です。単語と英文法を勉強して基礎が身についてきたら、並行して長文読解の勉強も進めましょう。「過去問を解いて実際の問題形式に慣れる」、「わからない単語や引っかかる文法があったら、その都度復習をする」などの勉強方法がおすすめです。
また、試験本番では制限時間が設けられています。よって、「本文のどこに設問に関わる答えがあるのか」を読み取る速読力・判断力も求められるのです。設問をあらかじめ読んでから答えを探す癖をつけたり、過去問を解いて出題傾向を把握したりという対策を練りましょう。
高校受験に向けた英語の勉強法
ここからは、単語や英文法など分野別に、具体的な勉強方法を解説していきます。効率的な勉強のポイントや勉強する順番などをまとめました。
単語カードを活用して語彙を増やす
単語カードは定番のアイテムです。表に英単語、裏に英単語の和訳を書いて使用します。カードを簡単に取り付けたり、取り外したりできるので、「完璧に覚えた単語のカードはどんどん外していく」という勉強方法がおすすめです。必然的に覚えにくい単語が残るため、自分の苦手な単語を効率良く学習できます。
和訳を見て、その英単語を完璧に答えられるようになるまで暗記する作業を繰り返しましょう。1単語あたり、2~3秒ほどの時間で和訳を思い出せるようになるのが理想です。それ以上の時間をかけて、ようやく思い出せるということは、その単語を完全にインプットできていない証拠です。50語を1つの区切りとして暗記していき、完璧に覚えた単語カードは外していきます。これを繰り返すことで、自身が苦手な単語や覚えにくい単語を集中的にインプットできます。
スペルの練習も行いましょう。繰り返し単語を書いて練習することで、手と頭の両方にスペルを記憶させられます。ただし、記憶することよりも書くことが目的になってしまわないよう、注意する必要があります。
英文法はまず基本ルールを覚える
英文法の勉強では、どのようなルール・形式で英文が構成されているのかを押さえることが大事です。
たとえば、基本のbe動詞の英文では、「He(彼は)is(です)a student(生徒)=彼は生徒です」というように、be動詞が主語のすぐ後ろにきて述語の役割を果たします。
「I(私は) play(する) baseball(野球を)=私は野球をします」というように、動詞を挟んだ場合も同様です。「play」が主語のすぐ後ろに来て述語の役割を果たし、「私」が何をしたのかを説明する文章になります。
be動詞に基づく基本文法を、まずはしっかりと覚えましょう。基本を押さえたら、新たな文法ルールを徐々にインプットしていくのがおすすめです。
「助動詞(canやwillなど動詞を助ける単語)は動詞のすぐ前に置き、動詞は変化させず原型にする」などのように、基本を押さえておけば新たな文法ルールも頭に入りやすくなるでしょう。
学習する際は、英文法専用のテキストや問題集を活用すると効果的に学習できます。基礎部分に不安を感じるのであれば、中1の英文法から総合的に復習できる教材を選ぶことをおすすめします。文法ルールを覚えたら、問題集の問題を実際に解いていきましょう。インプットとアウトプットを繰り返し、頭と手に覚えさせることがとても重要です。
単語と文法が身についてきたら長文読解へ
長文読解は、多くの単語を覚えて語彙力を鍛え、英文法のルールを把握したうえで、はじめて学習できる分野です。語彙や英文法に関する知識が不十分なままだと、肝心の長文を正しく読み取れなくなってしまいます。裏を返すと、ある程度の語彙と英文法の知識があれば長文読解は比較的スムーズに進みます。というのも、高校受験の長文読解では、複雑な文法や高度な単語表現が使われることはほとんどないからです。
長文読解の勉強では、専用の問題集と過去問を活用するのが効率的かつ効果的に身につけることができます。特に長文読解に慣れていない場合は、過去問を解いて問題の形式に慣れることが大切です。問題の形式に慣れたうえで、多くの問題を実際に解いて理解を深めていきましょう。
また、長文読解にでは「問題文を先に読み、何について問われているのかを把握してから長文を読む」というテクニックが重宝します。そのテクニックを習得することで、問われていることの要点が理解でき、その要点に注意を払いながら長文を読み解くことが可能になるのです。長文読解の勉強では、こうした「先読み」のスキルを磨くことも忘れないようにしましょう。
リスニングは耳を馴らすことから
リスニングは長文読解と同様に、単語と文法の知識が不十分だと学習できません。単語と文法のスキルを磨いてから取り掛かるようにしましょう。
リスニングの勉強では、英語の音に慣れることが重要です。知識として単語や慣用句を知っていても、実際の音(発音)を知らなければリスニング問題を解くことはできません。教材に付属している音声を繰り返し聴くことで、「この単語はこう発音する」や「この語句はこうつなげて発音する」という気づきにつながり、リスニングのスキルアップになります。
また長文読解と同じく、問題を先読みするスキルも重要となってきます。リスニングは耳で聴き取ったことを理解する必要があるため、時間を少しでも有効活用することが大切です。音声が流れる前に問題文を読んで、問題の要点を把握しておくことで、「どの部分を聞かれているのか」、「何のことを質問しているのか」というヒントがわかり、リスニングに注力できます。
英語に苦手意識を持ってしまう理由
英語に強い苦手意識を持ってしまう生徒は少なくありません。その苦手意識には、どのような理由や背景があるでしょうか。
英語の音声に耳が慣れていない
そもそも英語の音声を聴く機会が少なく、耳が慣れていないと英語に対して、苦手意識を持ってしまうことがあります。「単語の読み方と音を一致させづらい」、「どれが正しい発音なのかわかりづらい」という疑問にぶつかりやすくなり、思うようには学習が進まなくなります。その結果、英語そのものが苦手になってしまうのです。
単語を覚えるのが苦手
暗記力に自信がなく、単語を覚えるのが苦手というケースも見受けられます。英単語の正しいスペルを覚えたり、変化形を覚えたりするのは意外と大変な作業です。
また、英単語のなかには「knife(ナイフ)」や「fight(ファイト)」のように、実際のスペルと発音が一致しないなど、特殊な単語もあります。knifeの場合は「k」、ファイトの場合は「gh」がこれにあたります。「スペルを覚えるので精一杯なのに、並行して意味や発音を覚えるのが難しい」という気持ちが、苦手意識につながってしまいます。
文法を覚えるのが苦手
文法の法則性をなかなか覚えられず、読解などで苦労するパターンです。このパターンに該当する人は、「英文法は種類が多く覚えるのが大変」と誤解していることが少なくありません。しかし、基本的な英文法の種類は以下の5種類のみです。
- 主語→動詞の語順を指す「SV」
- 主語→動詞→補語の語順を指す「SVC」
- 主語→動詞→目的語の語順を指す「SVO」
- 主語→動詞→目的語1→目的語2の語順を指す「SVOO」
- 主語→動詞→目的語→保護の語順を指す「SVOC」
まずは5種類の文型を押さえることで、苦手な文法も攻略しやすくなります。
覚える単語・文法の量が急増する
前述したように、中学校で覚えるべき英単語数は1,600~1,800語以上とされています。また、最新年度の基準からは「2,000語以上を学ぶべき」とする声も上がっています。中学から学習範囲が急激に広がるため、その結果英語への苦手意識につながってしまうのです。
保護者の苦手意識が影響していることも
英語に苦手意識を抱いている保護者の方もいるのではないでしょうか。
「自分が苦手だったから、子どもには英語で苦労させたくない」という気持ちは非常に大切です。しかし、それが行き過ぎるあまり「やらされている感」を子どもに植え付けてしまうのは逆効果になってしまいます。子どもが英語を苦手としていることを受け入れたうえで、効果的な学習方法は何か、どうすれば苦手意識を軽減できるかを一緒に考えるのが得策です。
高校受験に向けた英語への苦手意識の克服方法
高校受験に向け、英語に対する苦手意識はできる限り軽減しておくことが理想といえます。以下では、そのための方法を紹介します。
特に苦手な分野・単元を把握する
「単語や文法の暗記が苦手」、「リスニングが苦手」など、特に苦手とする分野を把握しましょう。できれば、「どの学年の、どの単元・分野が苦手なのか」と具体的に分析することが大切です。英語は、1つひとつの単元を積み上げていくことで、身につく教科であるといえます。1つの単元のつまずきを放置すると、その後の学習にも支障が出てしまいます。
一度にすべての苦手分野を克服しようとしない
英語の苦手分野が複数あるならば、それらに優先順位をつけたうえで勉強しましょう。英文法と長文読解が苦手なのであれば、まずは英語を構成するルールである英文法を重点的に学習します。単語とリスニングが苦手なのであれば、出題範囲の単語のスペルと読み方、発音をしっかりインプットします。苦手分野が多いからと、一気にそれらを克服しようとするのは効率的とはいえません。
そもそも英語は、日本語と全く異なる性質を持つ言語です。高校受験に向けて、独学で英語対策を行うのは限界があります。名古屋・愛知・岐阜の進学塾「名進研」の小学4年生から中学3年生を対象にした高校受験コースでは、難関校合格を目指したカリキュラムで授業を行っています。子どもたち1人ひとりの適性を、科学的根拠に基づいた測定法で判定し、そのうえで、1人ひとりに合った質の高い指導を展開しています。名進研の高校受験コースに関する詳しい情報は、こちらの「高校受験の学習塾【名進研】」よりご覧いただけます。
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