【中学受験】社会の勉強法とは?分野別の勉強方法をご紹介!
シリーズ私立中講座
中学受験の教科の中でも、社会は特に覚えることが多い教科です。そのため「社会は暗記する」というイメージを持つ方も多くいらっしゃいますが、記憶力勝負の穴埋め問題のような形式だけでなく、受験者の思考力を問う問題も増えてきています。
本記事では、中学受験に挑むお子さまがいらっしゃる保護者の方に向けて、社会の受験問題の出題範囲や分野別の勉強法について詳しく解説していきます。
- 目次
中学受験「社会」の過去問題を分析
勉強方法をお伝えする前に、過去問を元に中学受験社会における出題傾向をお伝えします。併せて、社会を勉強する上での注意点についても言及していきます。
中学入試社会の出題傾向
中学受験における社会の問題は「地理」「歴史」「公民」そして「時事問題」の4種類が出題されます。そして特に重要になるのは地理、歴史、公民の3つであり、一般的に「地理:歴史:公民=2:2:1」と言われています。
基本的にはこの割合にあわせて時間を確保して勉強をすすめることが望ましいですが、受験する中学校によっては出題傾向が異なる場合があるので、志望校の過去問から傾向を把握しておく必要があります。
社会は暗記教科ではない
「社会は暗記教科」というイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかもしれません。確かに社会は暗記する項目が多い科目ではありますが、年号や単語だけを単語帳や語呂合わせで暗記していると、余程の社会好きでない限り覚えられる内容には限界があります。
暗記自体に面白みを見いだせるお子さまであれば、それでも問題ありませんが、暗記が面白くないと感じてしまう場合、勉強のモチベーションを保つのも難しくなりますし、記述式の問題が出た時にも対応できないケースも出てきてしまうでしょう。
そのため、暗記で覚える認識をまず捨てることが大切です。社会は、人間の営みの結果生まれた事柄についての学問であり、全ての項目が関連しています。項目自体を覚えるのではなく「なぜそのような物事が起きたのか」という背景を理解し、身近な物事と紐づけることができれば、無理して暗記をすることなく、問題を解けるようにもなるでしょう。
【中学受験】社会の勉強法「歴史編」
歴史においても年号やキーワードを暗記して勉強する、といったイメージが強い方は多いのではないでしょうか。実は歴史の問題は歴史の背景や前後の出来事との関連性の理解が求められ、理解力や思考力が問われる問題に変わってきています。歴史については、ポイントに分けて解説します。
歴史の流れをつかむ
歴史とは、人類が歩んできたストーリーです。長い年月に渡る人類の営みが元になっているため、一部の項目だけを抜き出しても理解しづらく、結果的に暗記に頼ることになります。そのため、まずは歴史がどのように変化してきたのか、流れをつかむことが重要です。
歴史の教科書では時代ごとに章が分かれていることが多く、歴史の流れがイメージしづらくなっているケースもあります。その場合は、それぞれの時代でどんな変化があったのかをストーリー立てて理解する工夫が必要となるでしょう。
問題はエピソード形式で覚える
歴史の流れが理解できたら、問題をエピソード形式で覚えるようにしていきましょう。
例えば「縄文時代」という単語だけを覚えても前提知識がないとイメージは沸きづらいものです。一方で、「縄文時代の名前の由来は?」という点から考えると、縄目模様がついた縄文土器が使われた時代を指していることがわかり、縄文土器が使われた背景などにも繋がります。
また、その後の弥生時代では、稲作が始まったことで農業に適した土器が使われるようになったことなど、前後の時代と関連付けることができるのです。
こちらも内容によっては教科書だけでは理解が難しい可能性があるので、出てきた単語をそのまま一問一答で覚えるのではなく、ご家庭でも質問形式で興味を持たせて、歴史への理解度を高めることができるよう、サポートしましょう。
語呂合わせなども活用する
このように、ストーリーで覚えることが重要ですが、同時に年代を語呂合わせで覚えるなど、暗記がしやすい手段を併用することもおすすめです。
要所ごとの年代を覚えておけば、それぞれの出来事が大体どの年代で起きたのかがわかるので、テストの際などに焦って時代の流れを忘れてしまっても、年代から思い出しやすくすることにも繋がります。
暗記とエピソードを両方活用することで、忘れにくい、そしてすぐに思い出せる状態を作りだせるようになるでしょう。
【中学受験】社会の勉強法「地理編」
地理の問題では、日本の地形や気候、産業などについての出題が行われますが、学習範囲が広い分野です。以下で紹介する点を押さえて学習することが、高得点に向けたポイントとなるでしょう。
地域ごとの特徴をつかむ
地理と言えば、日本をはじめとした世界の気候や海流、地理関係、産業などの特徴を把握しておくことが求められますが、まずは各地方の特徴を把握しておくことが何より重要です。実際に教科書でも、地方別の学習がウエイトを占めているため、優先して勉強するようにしましょう。
また、山や川などの地理的な違いも重要です。各地の産業や農林水産業は、立地的な要因に影響を受けているので、立地を理解することで、地方ごとの違いを理解しやすくなります。
地図帳学習が重要
地理を覚えやすくするには、とにかく地図帳を活用することが重要です。知らない地名や、場所がわからない地名を毎回地図帳で確認することでイメージが沸きやすく、気候や地理的な特徴とも連携させて記憶しやすくなります。また、緯度、経度を押さえながら勉強することで、より理解度が上がるでしょう。
地方別の学習をする際には地図帳でも地方のページを開くようにしましょう。緯度や経度をはじめ、山地や盆地、大きな川など、どのような地理的特徴があるのかを調べ、産業や地方の特徴がなぜあるのかを連想していくことで、理解度が格段に向上します。
知識と知識をつなぐ訓練を積む
歴史の勉強法でもお伝えしましたが、地理で学ぶ広範囲の知識をつける上でも、ピンポイントな単語や項目を暗記するだけでなく、知識と知識のつながりを含めて考えることが重要になります。
例えば、都道府県において、県庁所在地を覚えることは重要ですが、高松市、福島市、仙台市など、純粋に名前だけを暗記していた場合、県庁所在地の場所を答える質問が出た時に対応できなくなるでしょう。
県庁所在地は人口が多い所にあるので、各県でどの場所が栄えているかなど、地理的な特徴も押さえておくことで、幅広い知識を得ることができます。
身近な点にどれだけ興味を持てるかが大切
例えば、スーパーマーケットで食品の生産地に着目するだけでも、食材ごとに地域差があることがわかるでしょう。また、旅行好きなご家族であれば、家族で訪れた場所を元に特産物や地形・気候などについて、調べてみるのも旅行の思い出と相まって記憶に残りやすくなります。
また、インターネットを利用して地域ごとの特徴を調べるのも効果的です。各地の地図を調べることや、画像や動画を見るだけでも、文字をひたすら追うよりも格段にイメージしやすくなります。
地域の特徴をただ丸暗記するのではなく、日常生活といかに関連付けて視覚的イメージと一緒に理解できるかが大切です。
【中学受験】社会の勉強法「公民編」
公民は大きく分けて「政治・経済・国際社会」の3つの分野で構成されています。歴史や地理と比べると中学受験での出題数は少ない傾向にありますが、中学校によっては時事問題などと合わせて出題されることもあるため、要注意です。
そこで、公民の勉強法で重要となるポイントを解説していきます。
図や表で具体的なイメージをつける
公民の場合、中学入試で最も頻出となるのが「政治」ですが、他の項目と異なり政治は普段の生活とは関わりが薄く、用語自体も難しいものや、概念を学ぶような抽象的なものも多いため、「難しい」というイメージがつきやすい単元です。
地理や歴史に比べて非常に抽象度が高く、小学生にとってはなかなか理解しにくいので、テキストを読むのではなく、具体的に説明している図や表をしっかり頭に入れることが重要になってきます。
図や表を活用する場合は、カラーで印刷されている教科書を活用する方が理解しやすいため、おすすめです。視覚的に学ぶことで、頭でイメージをしながら知識を深めることができます。
苦手意識を払拭する
歴史や地理も同様ですが、特に公民は暗記で対応するのが難しい分野です。さらにイメージのしにくさも相まって、難しいと思われることが多いのですが、このイメージを払拭することができれば、他の受験生と差をつけることができます。
それでは、苦手意識をどうやって払拭すればいいのでしょうか。
1.漢字から意味を連想する
特に政治分野では、歴史や地理より圧倒的に難しい漢字が出てくるため、子供の苦手意識を助長させる原因にもなりえます。
一方で、漢字は意味が類推しやすいので、漢字への苦手意識さえなければ、漢字を読むだけである程度の内容がわかるという特徴もあります。
例えば「議員内閣制」や「全会一致制」「内閣不信任案」など様々な漢字が出てきますが、内閣不信任案なら議会が「内閣」を「不信任」にする「案」を出すことを指します。
このポイントが理解できていれば、一見難解な用語が出てきても落ち着いて立ち向かうことができ、公民の難易度は下がるでしょう。
2.近代史と連携して覚える
公民で出題される政治や憲法などは、第二次世界大戦など、歴史の教訓をもとに形作られているものが多く、近代史とは切っても切れない関係にあります。「戦争の放棄」や「宗教の自由」など、第二次世界大戦で多くの方が亡くなったことを踏まえて制定されたことなど、背景を知ると一気に理解度が高まるでしょう。
近代史自体も覚える項目が非常に多く、難易度が高いため、それぞれを関連付けながらわからない所は都度解決していくことが大切です。
ご家庭でのサポートが重要
公民は小学生が理解するには難しい内容が多いので、ご家庭でもぜひお子さまのサポートをしてあげましょう。
ニュースを見ながら、首相の発言や国会の動きなどを一緒に学んだり、クイズ形式で様々な内容を再確認してあげたりと、できることは身近に沢山あります。
中学校によっては時事問題を多く出題する所もあるので、お子さまと一緒にいる時間を受験に結び付くような時間にしてあげましょう。
社会の勉強は日常生活でも可能
ここまで、歴史・地理・公民それぞれの勉強法についてお伝えしましたが、社会の勉強は私達の生活に密接に関わってくるので、日常生活で勉強しやすい教科でもあります。
ニュースを見る、食卓に並んだ食べ物の産地から話を広げるなどできることは多くあります。ご家庭で様々な話題について会話し、子どもが自分で考えてアウトプットする能力を磨いてあげることが大切です。
学習において一番効果的なのは、机で勉強することより勉強したことを様々な角度で会話しながら理解し知識を定着させることです。
他の子供との差をつけるためにも、保護者が一緒に社会について興味を持ち、様々な会話や質問を投げかけてあげるようにしましょう。
まとめ
今回は、中学受験における社会の勉強方法を、歴史・地理・公民、3つの項目に分けてご紹介しました。
それぞれの教科ごとで注意するポイントは異なりますが、共通している重要なポイントは「単純に暗記して覚える教科ではない」ということです。
単体の項目だけを暗記するのではなく、歴史であれば歴史の流れをつかむことが大切です。
また地理ならば地図帳を活用することで項目ごとの知識を紐づけ、なぜそうなるのかを理解していくことで様々な質問にも対応できる「活きた」知識を得られるようになるでしょう。
そのためには、学校の授業で知識を得るだけでなく、家庭で会話をし、身近な出来事と紐づけて考えたりアウトプットする機会を増やしたりすることで、子供が学んだ内容を自分のものにする場を作ることが重要です。
ただし、中学受験をする上で、学校の授業とご家庭での復習だけでは十分な対策ができない場合もあります。
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