子供の睡眠不足による影響は大きい!2~3倍間違いが増え成績の低下、イライラも…
日中にあくびが出る、耐え難い眠気がやってくるなどの現象が現れることがあれば、それは睡眠不足のサインかもしれません。
現代において十分に睡眠がとれていない人は多く、睡眠不足は成績の低下やイライラするなど精神の不調などを引き起こします。
昨今は特に子供の睡眠不足が問題となっています。
アメリカ国立睡眠財団によれば、6~12歳の学童期では1日10時間~11時間、11~17歳のティーンエイジャーでは、8.5時間~9.25時間寝ることが必要と考えられています。
しかし、日本人の10歳以上の睡眠時間は、2010年時で平均7時間14分しかありません。
この足りない睡眠時間が、疲れやイライラなどの調子の悪さを招いている可能性もあります。
睡眠時間を改善して日々の調子を整えていきましょう。
良い睡眠の秘訣はこちらのページにも記載しています。
こちらの記事もオススメ。食事と睡眠の11の対策
- 目次
睡眠時間が少ないと子供にこんな影響が…成績、健康、精神に悪影響
睡眠時間が足りないことは、成績、健康、精神にも大きな影響が出ます。
・睡眠不足はモノの置き場所を2倍も間違えることが増え、注意力の欠如が3倍になる
睡眠不足は、通常の2~3倍のエラーを引き起こすことが実験によってわかっています。
毎日2~3倍も選択肢で間違えれば、成績にも悪影響を及ぼすことがわかりますね。
・睡眠不足になると免疫力が下がり病気などにかかりやすくなる
米国医師会の論文によると、21歳~55歳の男女153名を対象に行った実験では、睡眠時間が7時間未満の人は睡眠時間が8時間以上の人に比べて2.94倍も風邪をひくことがわかりました。
今は病気などに特に気を使う時期ですので、免疫力を下げないようにしたいですね。
参照:ウェザーニュース 睡眠が○時間未満の人は3倍風邪をひく!?
・睡眠不足は、イライラしキレやすくなる。暴力性も増し、意欲も低下する
寝不足になると脳内の神経物質のひとつで精神を安定させる(働きをする)セロトニンが不足し、疲労感が増えイライラし、意欲が低下します。
さらに寝つきが悪くなり、睡眠の質が下がります。
毎日を健やかに過ごすためにも、睡眠不足がよくないことがよくわかります。
就寝時間、起床時間が毎日ずれると学力が低くなる傾向
それでは、次に文部科学省の調査データを見てみましょう。
「規則正しい生活をしましょう」と学校などで教えられた人も多いでしょうが、規則正しい生活をしないと成績にマイナスの影響があることがわかっています。
文部科学省の資料によると、小学6年生で、「毎日の就寝時間が同じ児童」と「毎日の就寝時間がバラバラの児童」の比べたところ、
国語Aでは、
毎日同じ時間に寝ている 64.1点
毎日バラバラの時間に寝ている 47.2点
点数として16.9点の差が出ました。
算数Aでは、
毎日同じ時間に寝ている 78.4点
毎日バラバラの時間に寝ている 61.2点
点数として17.2点の差が出ました。
また同じ調査では、小学6年生で「毎日の起床時間が同じ児童」と、「毎日の起床時間がバラバラの児童」を比べたところ
算数A
毎日同じ時間に起きている 79.0点
毎日バラバラの時間に起きている 66.1点
点数は12.9点の差が出ました。
このことからも毎日同じ時間に寝て、毎日同じ時間に起きる規則正しい生活が学力にも良い影響を与えることがわかります。
参照:文部科学省資料 中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの現状と課題について
朝食を食べない場合も点数は低下する、その原因は就寝時間が遅いこと親も朝食を食べないこと
規則正しい生活リズムは大切で、朝食にまで影響を与えます。
資料によると、朝食を摂る子供の方が学力調査の得点が高い傾向があるため、睡眠の見直しと朝食の見直しも合わせて行うと良いでしょう。
例えば、毎日朝食を食べている子供と全く朝食を食べていない子供の点数を比べてみると
国語Aでは
毎日朝食を食べる 64.2点
全く朝食を食べない 48.2点
点数として16点の差が出ました。
算数Aでは、
毎日朝食を食べる 78.4点
全く朝食を食べない 62.2点
と16.2点も差が出ています。
また成績だけではなく、体力テストでも同様に差が出る結果となっており、朝食を食べない場合、男子で3.1点、女子で4.3点体力テストの結果に差がつきます。
さらに朝食を摂らないことによる健康や成長面に悪影響を及ぼす欠食が問題となっております。朝食も毎日食べる方が望ましいでしょう。
しかし、ここで大切となってくるのが保護者が朝食を摂っているかどうかということです。
同資料でも、保護者が朝食を必ず食べる場合は、子供も86.3%食べますが、保護者が朝食を摂らない場合は子供も53.0%朝食を摂らないというデータが出ているので、子供に朝食を食べさせたい場合は保護者も朝食を摂るようにしましょう。
参照:文部科学省資料 中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの現状と課題について
また別の資料によると、朝食を食べない理由としては「食欲がないから」という理由に次いで、「時間がないから」という理由が多くなっており、全体の30%前後を占める結果となっています。
時間がないからという理由は、就寝時間が遅くなることで起床時間も遅くなることが推測されます。
参照:文部科学省資料 中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの現状と課題について
就寝時間が遅くなる原因は TV、スマートフォン、インターネット、ゲームの影響が大きい
就寝時間が遅くなる傾向としては、昨今のスマートフォン・携帯電話の普及によるところも多いでしょう。
特に中高生からは、スマートフォンを個人で持つ人も多く、SNSやインターネット、ゲームを夜遅くまですることで就寝時間が遅くなっている傾向にあります。
1日頑張って夜間に訪れた自由な時間なので、多くの人がスマートフォンやテレビに夢中になることもわかります。
ここで注意をしたいのが、TVやスマートフォン、PCの液晶画面はブルーライトを発しており、睡眠の質を下げることがわかっています。
寝る1時間前にはTV、スマートフォン、PCの画面を見ないように工夫をしましょう。
また、家の近所にある24時間営業のコンビニなどに夜遅く行くなども、夜ふかしの原因となりますので注意をしましょう。
子供の睡眠時間は何時間必要??
では冒頭でも紹介しましたが、一体どれくらい眠れば良いのか睡眠時間の目安を紹介します。
アメリカ国立睡眠財団によると、必要な睡眠時間の目安は
学童前期(3~5歳) 11~13時間
学童期(6~12歳) 10~11時間
ティーンエイジャー (11~17歳) 8.5~9.25時間
成人・高齢者 7~9時間となっております。
これらの睡眠時間をとれるように工夫していきましょう。
良い睡眠をとるための方法を紹介
それでは、良い睡眠をとるための工夫を紹介します。
・寝る1時間前には、スマートフォン、テレビ、PCの画面を見ないようにする
・スマートフォンを見てしまう子供のために、寝る前はスマートフォンを預かる
・眠る1~3時間前にはお風呂に入る
・朝起きたら15分~30分朝日を浴びる。カーテンを開けて日差しを取り入れても、通学時でも問題ありません
・夜にまとめて睡眠がとれない場合は、日中に15分の睡眠をとる(午後15時半以降は控える)
・子供だけでなく、保護者の睡眠時間も工夫する
※子供は保護者の睡眠時間に影響を受けるためです。子供に夜ふかしをさせないためにも保護者も早く寝る方が良いでしょう
・カフェイン摂取量に注意をする、寝る6時間前にはカフェインは摂らない
・夜ご飯に塩分の多い食べ物も控える ※夜にトイレに行く場合は塩分を控えましょう
これらのことを行うことで睡眠の質の改善になるでしょう。
よく眠ることは大切だと聞きますが、まず睡眠が及ぼす悪影響の程度を知り、次に実際に必要な睡眠時間の把握、睡眠をするために必要な方法を知り実践をすることが大切です。
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