実際、どこから通っているの?名古屋の南山中、愛知の滝中学校、岐阜の高田中のデータ


中部地方の教育・受験情報なら中部教育ラボ

「実際、どこから通っているの?」名古屋の南山中、愛知の滝中学校、岐阜の高田中のデータ - シリーズ私立中講座⑧ -

シリーズ私立中講座

遠距離通学もいとわない

目次
  1. 私立中の通学は遠距離通学もいとわない
  2. 交通の便より「教育内容」
  3. 私立中は国内だけでなく海外からも入学者

私立中の通学は遠距離通学もいとわない

私立中は通学範囲の地域制限はなく通学者は広範囲に渡る。
名古屋市内や愛知県内だけでなく、岐阜県、三重県から2時間近くかけて名古屋市内の私立中に通う生徒がいる一方、逆に名古屋市内から名古屋市郊外、岐阜県、三重県の私立中へ通っている生徒もいる。
通学エリアは年々拡大し、通学時間短縮のため新幹線通学している生徒もいるほどだ。

この通学範囲の制限がないのも私立中の特色で、各中学校の教育内容、校風、大学進学指導、高い大学合格実績、あるいは近隣の中学校にはない最新の教育内容や設備に憧れて、遠距離通学をいとわず希望する私立中へ通っている。

実際どの地域から通っているのだろうか。
南山中女子部を例に見てみよう。

<南山中女子部 通学地域別人数 中学校の在籍生610名中>

・名古屋市内:384名  
・愛知県(名古屋市を除く):182名
・岐阜県:32名     
・三重県12名
・遠距離の通学者数

愛知県 岐阜県 三重県
大府・
東海・
知多市
8名 岐阜・各務原市 17名 桑名市・
いなべ
6名
半田・
常滑、知多郡
12名 羽島・安八郡 2名 鈴鹿・
四日市市
4名
豊明・
刈谷・
知立市
12名 多治見・土岐・
瑞浪市
3名 亀山・
津市
2名
高浜・
碧南・
西尾市
1名 美濃加茂市・可児 2名
安城・
岡崎市、
額田郡
5名 大垣・瑞穂・海津市 8名
蒲郡・
豊川・
豊橋市
2名

遠距離通学

名古屋に出るだけでもかなりの時間がかかり、
さらにそこから地下鉄に乗って、南山女子のあるいりなかまで行くと、1時間半~2時間はかかる。
まだ小学生の面影のある女子生徒が教科書をいっぱい持って電車にゆられて通学する。
体力、気力が鍛えられ、中には電車の中で寝てしまって終点までいってしまうこともあるようだが、その経験も成長の糧になるものだ。
小学校を卒業したばかりの我が子が、電車やバスで通学できるのだろうかと、心配しなくても子どもはたくましい。
電車が事故などで止まった場合でも、機転をきかして高速バスで自宅へ帰ってくるなど、自分で考えて行動する力も身についていく。
また、大人はどうしても中1の小さな体のままで6年間通学するとイメージしがちだが、子どもはすぐに大きくなり、数年後は大人と変わらない体力となる。

<高田中 県内・県外志願者数>

逆に三重県の津市にある高田中では、愛知県からの志願者が増加しており、通学圏は年々ボーダレスになっている。

  H27 H28 H29
県内 373名 365名 353名
県外 110名 97名 114名
合計 483名 462名 467名

私立中の先生の話では、遠距離通学だから成績がかんばしくない、ということはないというお話だ。
通学時間がかかる生徒ほど、電車内の時間や空き時間を有効に使って集中的に学習する姿勢が身に付いていくため、成績上位者になることが多いようだ。

交通の便より「教育内容」

交通の便より「教育内容」

通常、公立中学校は小学校の同級生、近隣の小学校からの進学者が集まり、確かに徒歩や自転車で通学できる利便性があり、交通費もかからない。
しかし、他県からなどの広範囲からの通学者はゼロで、私立中の方が交友関係に広がりが出るのは確かだ。
いろんな地域出身の生徒が出会うことができるのも、私立中の特色で、広範囲から通学する友人と出会えるのは一生の財産となり、どの学校も同窓会活動は盛んに行われている。
また、学習面でも例えば、社会の自由研究で、各家庭のお正月のお雑煮の内容をまとめると、いろいろな種類のお雑煮があり、生徒の興味関心が一層高まるそうで、これも私立中の魅力と言える。

次の今年滝中に入学した中1生の地域別入学者数を見ると、多彩な生徒と出会える環境があるのが分かる。

また、滝中は江南市にある学校だが、地元の生徒より他地域から通学する生徒が一番多いのも私立中らしく、三河地区からも通学している生徒もいる。
それだけ通学時間がかかっても、我が子にあう理想的な教育環境を求めるのが学校選択の基準になっており、まず「教育内容」!
交通の便ではない。

<滝中学校 中1 地域別入学者数>

名古屋市 95名 稲沢市 4名 津島市 2名 多治見市 1名
一宮市 27名 あま市 4名 安西市 2名 土岐市 1名
江南市 19名 岩倉市 3名 大垣市 2名 関市 1名
丹羽郡 13名 みよし市 3名 瑞穂市 2名 不破郡 1名
春日井市 8名 長久手市 3名 岡崎市 1名 揖斐郡 1名
岐阜市 8名 知多郡 3名 知多市 1名 浜松市 1名
小牧市 7名 北名古屋市 2名 知立市 1名 海外 1名
犬山市 6名 半田市 2名 東海市 1名 私立小学校等 18名
可児市 6名 日進市 2名 清須市 1名
各務原市 5名 安城市 2名 海部郡 1名
名古屋市 95名 稲沢市 4名
津島市 2名 多治見市 1名
一宮市 27名 あま市 4名
安西市 2名 土岐市 1名
江南市 19名 岩倉市 3名
大垣市 2名 関市 1名
丹羽郡 13名 みよし市 3名
瑞穂市 2名 不破郡 1名
春日井市 8名 長久手市 3名
岡崎市 1名 揖斐郡 1名
岐阜市 8名 知多郡 3名
知多市 1名 浜松市 1名
小牧市 7名 北名古屋市 2名
知立市 1名 海外 1名
犬山市 6名 半田市 2名
東海市 1名 私立小学校等 18名
可児市 6名 日進市 2名
清須市 1名 各務原市 5名
安城市 2名 海部郡 1名

広範囲から通学する生徒が多いということは、同じ地域環境で育った生徒ばかりでないため、ゼロから人間関係を構築する必要がある。
そのような体験も私立中ならではの体験と言える。
少子化やIC機器の普及により、今の子供たちのコミュニケーション不足が言われる中、私立中でのいろんな地域の生徒の出会いは貴重なものになっている。

私立中は国内だけでなく海外からも入学者

国内だけでなく海外も

さらに、愛知県には男子校の海陽中、岐阜県に共学の麗澤瑞浪中があり、寮が完備されている。

これらの学校の出身者は東海三県だけでなく、全国、さらに海外の日本人学校からの入学者もおり、まさに多種多様な個性を持った生徒が集まってくる。
愛知県や岐阜県の地元の生徒でも、親元を離れて自立心を身に付けてほしい、という考えで、寮に我が子を入れる家庭、あるいは自分から進んで寮に入る生徒もいる。
海陽中では例年、出願者は約30の都道府県と海外、入学者は約20の都道府県と海外の出身者になる。
このような国内外出身の生徒と出会える機会は、一生の中でもなかなかないのではないだろうか。

【中部教育ラボ】 監修:名進研

   このエントリーをはてなブックマークに追加