勉強の疲れはどこから?疲労を回復する成分「イミダペプチド」とは


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勉強の疲れはどこから?疲労を回復する成分「イミダペプチド」とは

勉強の疲れはどこから?疲労を回復する成分「イミダペプチド」とは

勉強を続けていると、ヤル気が出ない、頭が働かなくなるほど疲れるいうことはありませんか?
運動であれば、エネルギーを消耗するため疲れることはわかりますが、勉強をするだけでグッタリするのはなぜでしょうか?

疲れの原因としてよくあげられるのは、同じ姿勢で勉強を続けたせいでの「コリ」や、勉強でよく使った目の疲れなどです。
コリなどであれば、コリを感じる箇所のマッサージやストレッチなどで対策をし、目の疲れもこめかみ辺りのマッサージやホットアイマスクなどがオススメです。
これだけでその箇所の疲れは、軽減することができます。
また、脳に糖分が足らないという場合は、ブドウ糖の摂取などもオススメです。
しかし、それでもいつも疲れを感じている人もいるのではないでしょうか?

疲れに対する研究は日々行われており、何年か前までは疲れは乳酸が溜まったからといった意見もありました。
しかし、昨今では、疲れは活性酸素が細胞を傷つけること(酸化)で疲れを引き起こすという説が有力とされています。

この酸化を防ぐために、ビタミンCやビタミンA、ポリフェノールなどの抗酸化物質が、酸化を防ぐ食べものとして有名です。
しかし、それ以外にこの疲れをとる(酸化を防ぐ)物質が新たに見つかったので紹介をします。

今回は、受験勉強や、試験勉強で疲れた時に、疲れをとるオススメの食べ物について紹介をします。

目次
  1. 昨今話題の疲れをとる成分「イミダペプチド」とは
  2. イミダペプチドによる疲労減少の実験とは
  3. イミダペプチドを食事の献立として取り入れるには??
  4. 疲れをとると言われていたが、疲れをとると実証されていない食べ物

昨今話題の疲れをとる成分「イミダペプチド」とは

イミダペプチドとは

昨今疲れをとる成分として、注目を浴びているのが「イミダペプチド」(※正式名称イミダゾールジペプチド)です。
何万キロも海を飛び続ける渡り鳥、何万キロも泳ぎ続ける回遊魚などは、疲れることなく動き続けること自体がとても不思議ですが、実は渡り鳥の胸や回遊魚の尾などには、イミダペプチドが豊富に含まれているため、疲れにくくなっているということがわかっています。

そして、ヒトも同じようにイミダペプチドを摂取することで、疲れを引き起こす活性酸素を減らすことができるとされています。

イミダペプチドによる疲労減少の実験とは

イミダペプチドの実験

イミダペプチドは疲労減少に効果があるか、大阪市立大学大学院がおこなった実験を紹介します。
こちらは、日常的に疲れを感じている207人(男性66人、女性141名)に対し、3グループにわけ8週間行われました。

3つのグループの内訳は、
1.実際には効果のないもの200mg/日を与えられるプラセボ(偽薬)のグループ、
2.イミダペプチド(200mg/日)入りのドリンクを摂取するグループ、
3.イミダペプチド(400mg/日)入りのドリンクを摂取するグループです。

下記は摂取前と4週間後、8週間後の疲労度を計測したものになります。

  【摂取前】 【4週間後】 【8週間後】
プラセボグループ 57.9 51.8 44.0
イミダペプチドを200mg/日摂取するグループ 57.5 44.5 39.3
イミダペプチドを400mg/日摂取するグループ 54.8 44.7 35.6

プラセボグループと、イミダペプチドを200mg摂取するグループでは4.7の差、400mg摂取するグループでは、VAS(疲労度の計測方法)の値では8.4の差ができました。

参照:大阪市立大学大学院 医学研究 疲労医学講座

イミダペプチドを食事の献立として取り入れるには??

イミダペプチドを食事の献立に入れるには??

イミダペプチドが疲れをとることはわかりましたが、実際に食事に取り入れる方法も紹介します。
イミダペプチドは、鶏のむね肉、あるいは鶏のささみ、サバ、まぐろ、カツオなどに多く含まれています。
鶏のむね肉や鶏のささみであれば、サラダチキン、バンバンジー、よだれ鶏、照り焼き、フライや唐揚げなどの料理、魚であれば、刺身やタタキ、他にも缶詰などが日常的に摂取しやすいでしょう。

またコンビニにあるサラダチキンであれば、100gの容量に対し約200mgのイミダペプチドが含まれているためそれだけで1日分として充分な量を摂ることができます。

しかし、効果を出すためには、毎日鶏のむね肉や魚を摂る必要があるため、難しい場合もあるでしょう。
そういった場合はサプリメントなどで補うのも一つの手段です。

疲れをとると言われていたが、疲れをとると実証されていない食べ物

疲れをとると言われていたが、疲れをとると実証されていない食べ物

疲労回復の効果がある食品として様々なものが有名ですが、中には科学的に証明されていないものもあるので注意をしましょう。

例えば、昔から疲労回復効果があると言われているうなぎは、現代では疲労回復の効果は認められていません。
その理由として、うなぎには、ビタミンAやビタミンB1が多く含まれていますが、これは戦前などの食料が不足していた時代では、これらの栄養が不足していたため効果があったと推測されています。
しかし、現代ではビタミンAもB1も日本人の摂取率は100%を超えているので、大きな効果は期待できないでしょう。

また疲れをとる印象がある栄養ドリンクの表示で、タウリン●●mg配合などの記載を見た人も多いのではないでしょうか?
しかし、タウリンが疲れをとったという論文などは見つかりませんでした。
厚生労働省のウェブサイトでも、タウリンの効果に関しては、「心臓や肝臓の機能を高める、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防など、様々な効果がある」という一文が書かれているだけです。

また栄養ドリンクの中には大量のカフェインが入っているものがありますが、確かにカフェインは目が覚める、記憶力が向上するなどの効果はありますが、カフェインの1日の摂取量と睡眠する6時間前には摂取をしないように注意をしましょう。

さて今回はイミダペプチドが含まれている食べ物を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
勉強の疲れは、複数の原因があり体のコリや目の疲れなどがよく言われています。
それらの対策としてマッサージや、ストレッチ、ホットアイマスクなどをすることでも疲れを軽減させることができますが、それでも疲れが抜けないという方のために、食べ物によって疲れを減らす方法を紹介しました。
実験によって実証がされているので、取り入れたいと思った人もいるのではないでしょうか?
もちろん疲れをとるには、食事だけでなく、睡眠、リフレッシュも大切です。
様々なことに工夫をして、元気に勉強を続けましょう。

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